彼女、イレーヌはロシア系亡命ユダヤ人。
若くしてフランスで作家として成功、結婚もし、二人の娘にも恵まれたが、
戦争にともない、田舎に疎開し隠れ住むが・・・42年に夫ともどもアウシュビッツで死去。
ようやく逃げおおせた娘たちと母イレーヌの形見の一個のトランク。
60年が経過し、トランクの中の遺稿は、密やかに書き溜めた小説「フランス組曲」であることが判明、直ちに出版され、映画化。
実に波瀾万丈なベストセラー物語なんです・・・というか、ベストセラーには、数奇な物語が付き物です。
映画版しか知りませんが、占領下のフランスで起きた日常的なエピソードが淡々と書き綴られる。
フランス人はみんなレジスタンスの闘士でもなく、隠しておきたいような毎日の出来事
村の平穏のみを願う村長
ドイツ軍の敵意を隠さない農夫
不穏な村人を占領軍にちくる協力者
ドイツ兵との情事にふける若い女性
人妻への欲望を隠さないゲスな将校
身を潜めるように隠れ住むユダヤ人親子
許しがたい日常を認めようとしない貴族の貴婦人
鬱々としながら、出征した夫の帰りを待つ人妻
・・・とまあ、思い入れたっぷりに書き始めたのですが、つまらない事に足を取られてしまった(笑)
いったい「著作権」はどうなっているんだって?
瑣末な事だから割愛して、、、
ドイツ占領下でのフランスの風景は視点をさまざまに変えつつ、手を変え品を変えって感じでですが、このしつこさ。
いまだに芸術のモチーフとして風化しないっていうかさせないという強い思い入れ。
全土全員がレジスタンスとして戦ったなんて歴史の虚構をことあげするような馬鹿な真似をしないのが天才民族たる所以
負のエピソードを踏まえつつも「歴史というか事実」は絶対に忘れない。
なかなかよくできた映画です。
監督の腕よりも、原作の良さって気がします。
主人公の人妻の自宅に下宿した紳士的なドイツ軍将校が立ち去る際に(万感の思いで)書き残したピアノ曲のタイトルがそうだという事らしいが、バッハのピアノ曲との連想は、、、よくわかりません。
舞台は、ノルマンディーあたりの小さな村落で、作者の疎開先でした。
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