世の中には、枕なしでおねんねされる方もおられるらしいが、アタシには無理。
寝つきは良い方だから、アレコレ枕素材を吟味する趣味もない。適当な高さと弾力性さえあれば、、、、
実のところは、蕎麦殻素材に慣れ親しんできたから、コレが一番なんだが、虫が湧くとかアレルギーだとか昨今は評判が悪い。
漢籍や和古典を眺めていると、、、
木枕
石枕 なんかにも遭遇する。
漱石枕流(西晋の孫楚の故事)なんかは、夏目金之助のペンネームの由来だし、さすがなる副詞に漢字をあてれば「流石」ともなるが、、、アタシは現物を見たことはない。
木素材の枕ならば、、、
王朝古典では「つげのまくら」が登場しますが、これも見たことがない。
アマゾンでは木枕は買えますが、桐、竹、檜、杉、、、黄楊は皆目
しかし、高貴な式子内親王(後白河院の皇女)は
我が恋はしるひともなし
せく床の泪
もらすな つげのおまくら(新古今集 巻十一)
と詠じておられますから、実際にお使いになっておられたのかな?
余計な講釈ですが、アタシはむかしは「しきし」とよんでましたが、塚本邦雄の著作では「しょくし」
また、丸谷才一さんは「のりこ」
高貴な方の漢字の振り仮名は実に難しい、、、、
内親王は秘めたる恋の真っ最中
うまくことが運ばないのだろうか、涙でゆかは水びたし
あたしの枕ちゃんってばあ、あちこちに毎日涙ぐんでるってウワサひろげたり、告げ口したりしたら怒るからね
俗っぽい現代語訳ならこんな感じ
要するに「黄楊と告げ」の掛け言葉がイノチな一首で、彼女にしては普通の出来
逆に、言いふらして欲しいとか伝えて欲しいという意味の「つげのまくら」もあるようです。
ひとりぬる
こころはいまもわすれずと
つけのまくらは
君に知らせよ(古今和歌六帖)
まくらの使い方もさまざま
マクラ営業とかマクラ芸者と言えば、いささかシナサガルが、ひざまくらとなれば、なんだか羨ましいとか微笑ましい
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