2015年6月22日月曜日
失われた「読書」を求めて
かのプルーストの大作は、二十世紀を代表する傑作(問題作)であり、
文学史に燦然と輝く巨峰なんですが・・・・
あまりに偉大であるがゆえにノーベル賞は受賞していない。
・・・というか本当の傑作は受賞しないものです。
多くの訳本もでてますが、なんせ大部だし、読みやすいとは言いがたく、
途中で挫折した読者の死屍累々のやま。
読み通せないのは「訳が悪い」と他人のせいにし、幾多の訳者の訳本や
解説本を並べるが・・・
棚一段・・・多少大げさですが「失われた時を求めて」関連で詰まっています。
一応読み通したことになっていますが、読後感はまったくない。
なもんで・・・忸怩たる思いもあるのですが、
マルセル・プルースト著にして芳川泰久が編訳し、角田光代が小説的に文体補正した
世界文学最大・最強の長篇小説の画期的縮約版(新潮社版)を買い込んできた。
セールストークによれば・・・
作家志望の「ぼく」が味わう苛烈な恋、そして「時」の不思議。
あまりの長大さと複雑な文体ゆえに、名声ほどには読破する者の少なかった二十世紀小説の代表作がいま蘇える。
現代を代表する小説家と仏文学者のコラボレーションによって、
プルーストのエッセンスはそのままに、贅美きわまる日本語でついに読める・・・
読み通せる驚異の縮約版一千枚!
確かに、サクサクと読めますが・・・こんな小説だったの(苦笑)
この小説には様々なテーマがあり、曰く
意識・記憶あるいは時間
芸術
上流階級(スノブ)
恋愛(同性愛)
反ユダヤ主義
一番絵になりやすいのが「恋愛」それも淫靡な「同性愛」
そういうことか!
フランス文学の保守本流である心理の襞のおりなす不倫・姦通・レイプなんか満載の恋愛小説の
伝統を引き継いでいるのですねえ。
結構そそります。
お気に入りの「スワンの恋」の章なんかはすっ飛びんでいますが、
ジルベルトやアルベルチーヌとのチョメチョメがこれでもかと・・・
・・・・ってことは、日本最大・最強・最高の同種の恋愛小説といえば「GENJI」
河出書房新社刊の新しい文学全集収録の源氏物語の現代語訳を角田光代さんが
やることになってますねえ。
原文を何度も読んでますが・・・これは大いに興味ありますねえ。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿