2015年6月26日金曜日

鵜飼



どういうわけか長良川の鵜飼が有名である。
古来の漁法であるが、生産効率が悪く産業システムとして衰退するのはけだしその通り。
従って観光資源として生きながらえている「文化・・あるいは産業遺産」である。
ある種、鵜の「虐待」にも見えるが、いまんところ狂信的な動物愛護原理主義者も沈黙している。


鵜がとる捕る川魚は「鮎」と相場が決まっている。
岩魚でも天魚でも鮒鯉何でも良さそうであるが・・・・
ここんところはよくわからないが、食材として一般的だからだろうか?
そうはいっても、魚は生で食することが最上位だと思うのですが、
鮎は、塩焼きが一番(生でも干物でもいい)だし、天婦羅もいい。
煮物にするのは・・・趣味のレベルだが、あんまり好きじゃない。


能の五番物に「鵜飼」というポピュラー・ソングがある。
安房の清澄から甲州に旅する法華宗の僧が石和で遭遇する奇譚もの。
法華経の功徳をたたえるが主題であるが、
一方で「鵜飼のさま」を面白く演じるところが見せ場


鵜籠を開き取り出し 島つ巣おろし荒鵜ども この川波に ばっと 放せば
おもしろの有様や おもしろの有様や
底にも見ゆる篝火に 驚く魚を追い回し
潜きあげ掬いあげ 隙なく魚を食う時は
罪も報いも後の世も忘れ果てて面白や

・・・

不思議やな篝火の 燃えても影の暗くなるは
思い出でたり月になりぬる悲しさよ
鵜舟のかがり影消えて 闇路に迷うこの身の 名残をしさを如何にせん。


禁漁の罪科を犯したがため、地獄に堕ちた鵜匠の成仏譚ですので、
この「鵜の段」でも、躍動する鵜飼の場面が一転して、明暗の闇路に迷う哀しい物語に転じる。


今年は嬉しい事に、若鮎の頃から美味しい鮎にあたっています(笑)
過日は、大先輩に赤坂でご馳走になった。
若い仲居さんがメインはこれですって、金魚鉢に生きた鮎!
この時期にしては立派に成長。
焼物にして、卓にならべながら

頭から丸かぶりで・・・

???

なんだか、焼くとちじんだみたい(笑)

違いますねえ
金魚鉢って凸面鏡効果で大きく見えたのです。


先週は、江戸前寿司のカウンターで鮎の干物
美味でした。
猫マタギどころかケメコサマのお皿はなにも残っていないし、
僕の干物も少し掠め取った。

本命もあるのですが、これは別の時の話題に・・・






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