2016年7月31日日曜日

現代版「座敷牢」



懐かしい言葉だが、ウサギ小屋のような都会の家屋では「贅沢な施設」ってことです。
簡単に言えば「私的な監禁施設」であり、一応の法的な裏づけもありました。
自宅鎖錮とか私宅監置といわれましたが、
法的な根拠が異なるものであり、同等視すべきではないとヒステリックな言い方をする向きもある。
実際の現物は・・・・・さすがの我が家にも過去も現在もありませんし、ほかに見たことがないのですが、大体想像はつきます。


ちょっと話題の「措置入院」
座敷牢から連想するって、ちょっと危険な発想なんですが、この際だからちゃんと議論するほうがいいでしょう。
刑法理論と精神医学との葛藤みたいな話です。
所詮融和も折り合いも尽きようがない・・・って結論を先に書いちゃいけないが、
問題が野放しにされ、被害者が続出することを放置していては近代国家とも法治国家ともいえない。


刑法39条を根拠に加害者を裁けないのなら、精神医学の分野でなんとかしてもらいたいが・・・・事実上「無力」である(と思っています)。
そもそも「精神鑑定」とかいうしろものは科学的なものでしょうか?
鑑定人によって、白黒なんとでもなる有様では、それは八卦でしょう。
裁判所もその辺はよく心得ていて、忖度はしても左右されないって立場です。
鑑定人が何を言っても、被告人の精神状態の最終判断は裁判官にある。
仮に「心神耗弱」を理由に罰せられなくなった被告人はそのあとどうなるのでしょうか・・・・ねえ
理屈では、100%完治するまではシャバに出てきたもらっては困る。
だか、完治したという医学的判断に科学的合理性があるのか?


そこで、改めて「措置入院」ですが、こんな制度をよく「ジンケンヤ」が黙っているものです。
犯罪等の事前予防のための行政行為との位置づけになりますが、精神保健福祉法では・・・・

自傷他外のおそれがあれば知事の権限で無期限で入院させることが出来るとされます。
入院させるべきって要望(あるいは具申)は、司法職員に限らず一般人(要は誰でも)でもできます。
措置入院の必要性がありげだと、指定医と称するドクター二名以上で措置診察をします。
ドクターたちの一致の意見で、措置入院となれば、必要がなくなったという「診断」が出るまで永遠に拘禁されるのです。

ものの本的には、

申請が    23千人(年)
診察件数が、 9千人
措置入院が、 7千人(平均80日程度入院)

とされます。

誰が考えても疑問がいっぱいで・・・・・犯罪(暴力)傾向ある心の闇がたった80日程度で晴れるものですか?
措置入院が解除された跡のフォローなりケアはやっているんですか

あの相模原の事件の結果を見ると・・・かなり暗澹たる気持ちになり、制度の効果がまったく現れていません(と誰でも思うでしょう)



でも、実のところ、ほんとうに怖いのはこのような例。
この制度では、その気になれば「ふつつかな人物」を意図的に社会から長期間隔離することが容易に可能だということです。
ヒトザルを刑務所に入れるって手続きの煩雑さや厳格さに比べると、まるで子供だまし。
当然不当な措置入院に対する不服申し立ては、行政手続き法制の中で運用することは出来ます。
しかし、即時に「保釈」というものでもなく、拘束している間には「治療」なる行為が行われるわけであり、
怪しげな薬剤の大量投与とか、ロボトミー(さすがに最近はこんな乱暴なことはしないだろうが)手術・・・・


国家の平和と安寧のためには「措置入院」させるべきな頭脳構造の方々も散見されますが、
ローグネーションならいざしらず、まっとうな国家でやっていいことではない。
また、本制度を「悪用」しませんかってそそのかしてもいけない。
しかし、ワルな権力者が、やろうとすれば簡単に出来るシステムを装備している事実だけは知っておくほうがいい。



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