2017年9月24日日曜日
ふたつの「ダンケルク」
フランス版は64年製作。
母国では三百万人を超える観客動員でしたが、世界的に当たったかどうかは?
倭国は第20位の興収。
まあまあかな(^.^)
渡海逃亡がままならず、地元の娘さんと逃避行を企だてた主人公は死んでしまいますし、
フランス自体降伏し、親独ビシー政権で余命をたもつ有様。
そんな後ろ向きな空気の映画がヒットするとは信じがたいと言えば確かにそうだ。
エゲレス版は、17年製作のかのクリストファーノーランの畢生渾身の大作。
製作費一億ドルらしいが、CGとか特殊技術ではなく、物動量にお金をかけたみたいです。
結果としてスペクタクルというよりドラマに仕上がった。
ハリウッド版ならダンケルクで袋の鼠になった四十万の兵士救出の為に動員された
民間船舶がドーバー海峡を埋め尽くしたり、
バトルオブブリテンを思わせる様な大規模空中戦なんかが満載なんでしょうが、
英国人(監督さんはアメリカンでもありますが)の感覚での作り方。
物足らないと思う向きもあるかも....
でも良く出来たシナリオです。
砂浜からなんとか逃げ出そうとする英国軍兵士
救出の為にダンケルクを目指す民間船舶の船長と息子
制空権のない中救出作戦を支援する英国パイロット
三つの物語が超層的に調和し、
捲土重来を期すチャーチルの議会演説が画面に重なる。
配役にスポットがあまりアタリませんが、結構重量級を揃えています。
それぞれのお国の立場が映画の視座にも現れていますってお話しでした(^.^)
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