2018年1月19日金曜日

虚実皮膜の間



ケメ子様にせがまれて、久しぶりに邦画鑑賞。
話題の詐欺師映画....かな?

書画骨董の贋作話でも無ければ脚を運ばないが、
つらつらとあの鑑定団曜変天目を思い出す。
詐欺話にしては筋書がまずいが、今はどうなっているのか。
鑑定の世界は奇々怪々。
権威がホンマと言えばホンマだし、ウソと断じればウソ
騙される方が悪いと言うプロの世界

贋作を作るにせよ扱うにせよ、一流以上の腕がないと出来ないお仕事。
あの永仁の壺の実の作者は人間国宝の称号の持主でした。
別に悪事に手を染めなくても...なんて陳腐な考え方しか出来ないようでは
この世界は理解できないっていうか美術それ自体が理解出来ていないのです。


お話は、落ちぶれた古美術商と作陶家の贋物詐欺話。
導入から展開部まではなかなか魅せますが、
段々に腰砕け。
利休いわれの楽茶碗が、たった一億円!
貧相なコンゲーム。
あの曜変天目の鑑定価格も二千五百万円なんだから、
そんなもんかな。
サルバドールムンディが五百億円!なんてレベルが国際標準なのに。
まあ、国内市場しか無いんだから作為的につりあげればいいのよ。
仕入額が高くなれば売値も高くなる。
売り買いが成り立てばそれが価値。
茶碗の本家元祖は大陸に半島。
高くお買い上げ頂きましょう。
これもインバウンドビジネス


一番アホたらしいのが、最後に改心なんかしちゃって
マトモな業界人になってしまう事。
悪辣な美術商と鑑定家をギャフンと言わせたカタルシスの意味がない。
所詮は美術の世界の醍醐味が理解できない映画製作陣が作った代物。

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