2020年1月31日金曜日

太陽を曳く馬(あとがき)




堅牢深淵なる「警察ミステリー」三部作
福澤家三代の黄昏れる血族小説とも言えるし、
ある種の教養小説
ポリティカルスリラー
宗教的対話(独白)
とでもキャッチコピーはなんとでも...
しかし、山場は第三部だとすれば、これは哲学的な殺人ドラマです。

なんとも蠱惑的な題名
ショーヴェの洞窟壁画に代表される画題の事らしい。
光の届かない洞窟に、獣脂と獣血で描かれた四つ足の絵
壁画が描かれた場所は、祭祀空間だが生活の場かは知りませんが、
常識的には豊穣な狩猟祈願なんでしょうが、
暗闇の中に描かれた絵画は視覚的には見ることも出来ない。
心眼で観ることをイメージせよ!と言うのだろうか
なんのメタファーか思考の空回りが繰り返され...読み終わりました。

ストーリーだけを言えば、事件は二つ、
思弁的に絡み合う

福澤彰之の子、秋道の殺人事件
禅寺の修行道場に暮らす元オウム信者の過失致死事件

当事者たちは精神病理的であるが、
深層追求に抽象絵画論と仏教哲学論の独白なり対話論が
延々と展開されるとなれば...
宗教はもとより哲学も敬して遠ざく倭人が
サクサク読める代物ではない。

またしても...二度目の挫折
しかし、救う神が現れた!

哲学と宗教全史(出口治明著)

不思議にも売れてるって聞いたし、
極私的愛書家なんだから、知らないとか見たこともない
では沽券に関わる。
思わず、アマゾンに注文してしまった。



出口治明さんが無類の読書家である事は存じ上げています。
多少は畏敬するビジネスマンですが
しかしなあ...セールストークとは言え、

知の巨人

数こなせば誰でも知の巨人かね?
ならば、アタシだって...気恥ずかしいからやめようっと

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