2017年7月15日土曜日

孟子を読む(1) 忖度編



長らく漢籍から遠ざかっていましたし、韓非子なんかを余りに持ちあげるのも
年寄りの冷や水(^.^)
それらしく、孔孟でもって思い立ち、お手軽に中国古典選を
探し出してきた。
最初に読んだのは相当な昔。


この時代の漢文は簡潔明瞭、平明深淵。
あの「忖度」の出典は孟子なのだといまさらながらに気がついた。
もっとも、引用(と言っても愚王の発言であり、孟子の言説とは無関係)ですから
引用元の「詩経」が出典と理解するのが正解。
相変わらずネットの記事の多くは無責任にええ加減。
孟子が出典と書いてます。


他人有心 予忖度之


更に言えば、忖度にも「良いもの、悪いもの」があり的な
マスコミ解説に至っては絶句。
原典を知らないとなんでも書けますなあ。


詩経は周代の詩歌集。
よんでも面白くも楽しくもないもんで、孫引き引用です。

この詩は、周代幽王(亡国の暗君)を非難する「小雅 巧言」の一節
他人とは幽王
予(私)は、きっとその臣下

お馬鹿なトップの愚かしい気持ちを私は推し量る...って意味になります。
確かに忖度自体に良いも悪いもないのですが、
そのすべきココロネはかなり良からぬということになります。

なんと言っても、幽王の寵姫である褒姒は、笑わない美姫で有名。
なんとしても笑わせたい幽王の気持ちを慮り
微笑ます手立てをあれやこれやと知恵を絞ったのでしょう。
エピソード的には「ピーターと狼」であり、
忖度が國を滅ぼしましたってことが落語ならばオチです。


なんともアホたらしい(笑)








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