2017年9月30日土曜日

インテリジェンスデザイナー


オリジナルストーリーの衝撃の凄さはやがて悪しき商業主義に堕し
プレデターとの激闘に至ってはプロレス興行のレベル。
かくてはならじって事て、前日譚の三部作の第二弾
....なんですが、あの「プロメテウス」の内容は結構難解だし、
よく覚えていません。
アマゾンプライムにもないし、困ったねえ。


よくある「種の起源」テーマです。
しかし危険な事に多くは進化論よりも創造説のサイドに組みしています。
アメリカンの多くは創世記を信じていると言われますから、
危険でもなんでもなくて社会通念の映像化に過ぎないという見方もできる。
プロメテウスもそうですが、コヴエナントと言われても
これらの単語にピンと来ない非宗教民族には実のところハードルが高いのです。

進化論だけではヒトザルの起源は説明出来ないと言われれば
そうかなあって思うし、いまんところよく分からないまま、
精神はインテリジェントデザイナーの手により、肉体は進化論的に発展したと(^^)

これって法王庁の見解(かなり意訳してますが)なんですが、
二千年間論争に負けた事のないエリート集団は巧妙です。
モンキートライアルなんてアメリカンだけの現象かなあ?
ヨーロッパじゃ聴いたことがないが、スペインあたりならありそう。


長々とした枕はさておき、、、なんですが、まだよく分からない。
エイリアンシリーズの前日譚三部作の第2作のはずだか、
プロメテウスはさらにその三部作の前置きという説も有力。
だとすれば、コヴエナントは第1作
かなり構造が変わるし、それなら単なるリブートという事になる。
そこんところを曖昧にしては批評にならないから、
とりあえずはココまで。


2017年9月29日金曜日

冠効果?




KOBEなんてブランドネームなんですかねえ?
いや、なんでしょうなあ、外目からすれば。

地元民(本拠は寒村陋屋でもかなりの比率で阪神間にも寓居してますから)としては
当たり前すぎて水や空気と変わらない。
ことさらに「冠」なんかつけられるという齟齬感しか残らない。
商標法のシバリが無ければ神戸市は「ネーミングライツ」で一山当てたのにって(^^)


いつの間にか.....

神戸三宮駅(三宮は神戸に決まってます!)
神戸親和大学(紀香効果も色褪せたのでしょう)
神戸ハーバーランド(ハーバーランドって神戸しかないはず)

効果のほどは知りませんが、そもそも他例がありますか?
なくてもいいが、なんとはなしに風景が貧相です。


自信があれば、ブランディング力を利用した冠ネーミングなんか
やるはずはない。

神戸灘高等学校なんて笑止千万。
なにかと間違えられやすいからといって神戸甲子園球場なぞと改名しようものなら
暴動が起きる(^^)
かの場所は西宮市内であり、大阪や神戸の一部ではない。


西宮にあったスポーツ系ではちょっとは有名な女子学園は、神戸市内の埋め立て地に移転しました。
知名度アップの為に「神戸◯川学院」程度の改名を予想していた大方の期待を裏切り
校名はそのまま。

多分ですが「神戸◯学院」のひそみにならったのですよ。
このお嬢様学校はまだ神戸ブランドが定着する以前に神戸市内に開校し、
その後岡田山に移転しましたが、呼称はそのまま
従って、あれは冠ではなくジのままの校名
神戸と名がついても西宮にあることは衆知の事実ってくらい認知度も高い。

校風も学生さんの気質も相当に違いますから、背伸びなんかせずに
冠をつけたほうがいいと言う意見もおおいが、、、
それに「夙川」と全国的には読めないヒトザルのほうが多数派。
まあ学園としての矜持かな。
◯川と言っても神戸市内にあるってくらいに早く知名度を
あげてくださいよね。
なんか柔道が最近は凄いそうな(^^)






2017年9月28日木曜日

最終回



あの「浮浪雲」がエンディングを迎えるらしい。
嫌いでもないコミックでしたが、渡哲也さんのテレビ版は大好きだった。
まあ半世紀は凄い!
作者には、お疲れ様!と

そう言えば、あの「ゴルゴ13」はまだ頑張るのか?
噂では、最終回は既に出来上がり金庫の中で出番を待っているらしい。
しかし、主人公の顔つきは精悍というより重厚感たっぷりに変貌を遂げましたから
そのままは使えないと思いますよ。
請負金額も五万ドルポッチじゃ無理だし、、、(^^)


何にしても「死に様設計」は大事な事。
若いと言ってもそれは明日の事かも知れないし、年老いても
まだまだ先かも。
つまり「夕べに死すとも」って死生観が大事。
些細なことを言えば、毎朝ご綺麗な肌着で家を出ましょうと言うことです。
マイリビングも散らかしては恥辱を死後に残すってことです。


最近の「題なし」はつまらないとケメ子様が愚痴ります。
テレビは見ないのでなんともですが、司会者の名前を聞けば想像がつきます。
あの番組はかの日の丸音楽家とスポンサーの当時のオーナーの見識が支えていた。
前者は説明の必要も無いが、番組の途中でCMを入れないと言うのは
出光翁の決断である。
黛敏郎さんの人となりは存じ上げないが、洒落や皮肉が解るタイプだったとお見受けします。
ナンチャッテあらかじめ最終回のデザインを作っていたらしい。
実際に放映されましたが、それが彼の最終回だったかどうかは記憶が曖昧。

ひけらかし顔に説明はしませんが、
リンク映像で察してください。
ハイドンの有名なエピソードに由来します。
斯様なセンスがないからテレビはつまらない。



2017年9月27日水曜日

関節が無音のまま壊れたみたいに、突然にその場に膝をつく。




プロテクト(抗議)の意味で「ひざをつく」という様は違和感とまでは言わないが
意味がよく分からない。
かつてのオリンピック表彰式であったような「黒手袋の拳を挙げる」なら
納得なんですがねえ。

事はホワイトファースト等の差別的言動に対する指導者の言辞に起因するが、
その是非やそれに抗議するパフォーマンスの適否は論じない。
ただそのスタイルの意味だけを追求したい。


ひざをつくという行為は古今東西ありふれた様である。

降伏や屈服の態度として
騎士叙任の際に
プロポーズの定番スタイルとして

どこから見ても「抗議」のスタイルはない。
これはひとえに浅学菲才のなせる技だと思い、アレヤコレヤと調べまくるが
古典的正統的文献だと歯が立たないみたい。
なもんで...不本意ながらサブカルのお助け(^^)


新開誠氏の「君の名は。」
知らなかったが、句点があったのか!
女風呂を空にしたほうには、確かなかったなあ。

立ち読みの最中に眼ざとくも見つけた小説の一節(今日のエッセイタイトル)
これは例えようもない「絶望」の表現なのだ。
再起不能ままでの深い哀しみ.....


ナンチャッテ世界中で大ヒットしたジャパンアニメ。
きっとこれにNFLのスーパースターが触発されたのだ
これなら得心納得理解可能に感情移入
メディアやメディアに踊らされるだけのネチズンは
どこをどう間違えたのか?
それとも蝸牛庵が誤読したのでしょうかねえ(笑)

演繹してここから抗議の意味を汲み取るのは間違いとは言わない。
パフォーマンスをやっている当人達もどこまで理解しているかは疑わしい。
しかし声高に激昂し言葉を荒らげる直接的な行動では表現出来ない気持っていうのも
世の中にはあります。
今回はそれだ!と断じることかどうか....は立場による。
国歌や国旗に対する毀損行為かどうか?
拳を振り上げるのは確かにそうだが、、、、
むしろ怒りよりも限りない胸の痛みを感じます。

2017年9月26日火曜日

24回目の衆議院選挙





現行憲法下での過去の総選挙はただ一度を除き「解散」総選挙だそうです。
任期満了しないのが当たり前だというのも奇妙だが、
緊張感が担保されると言う声もあります。
平均任期は三年程度ですから、任期改正(憲法改正が必要)をやり
参議院と同タイミングでやればって・・・声はありません(笑)

しかし、今回に関しては「すべきとかすべきではない」とか姦しい。
有り体に言えば、有利と思えば解散するし不利なら反対。
大義がどうとか愚論は聞きたくもない。
任期満了ならば大義がなくとも解散しますし、つまるところ権力闘争
争点は.....国家的課題はいつもあります。

憲法解釈の上で違憲解散だといえなくはないが、
司法は統治行為論で判断を避けているし、積み上げてきた事実からすれば
いまさら不毛の言いがかり。
相変わらず投票格差問題は残るが、
司法は「もっとも強い表現」で物申すだけで実力行使は出来ない。
数百億の経費をかけるだけの価値を見出すのも些か苦しい。


という事で、興味は醜聞離党等議員去就(出馬と当落)だけ(笑)
哀しい事に対象者数多なんですなあ!

無所属で戦っても無事当選すれば「禊は終わった」という事で堂々と復党可能だが、出馬しなければまず未来はない。
ザックリご芳名を列挙してみれば(順不同)

上西小百合(そうそうに出馬あきらめ!)
山尾志桜里(そうそうに支援者に応援懇願)
宮崎健介(出馬したそうですが)
今井絵理子(これは参議院議員だった!)
武藤貴也(まさか出馬はないだろう?)
中川俊直(政治が家業ですからねえ)
豊田真由子(まだやる気あるみたい)
蓮舫(衆議院に鞍替え出馬するんじゃ?)

ほかにもいそうだが、数が多くて思い出せない(苦笑)
どこの世界も「色と欲」ですし、それは本能に起因しますので一概に悪いとは言わないが、
どれをとっても風景が貧相で薄汚い。

不倫や愛人・蓄財にキレイも汚いもあるんですよ。
岸何某は、古くからの赤坂の愛人の葬儀に堂々と参列しあまつさえ遺影をもったのですし、
三木武吉のエピソードは今更言うまでもない。


どうも醜聞の禊をはやくやりたい(やってあげたい)というのが本音かなあ。

2017年9月24日日曜日

ふたつの「ダンケルク」




フランス版は64年製作。
母国では三百万人を超える観客動員でしたが、世界的に当たったかどうかは?
倭国は第20位の興収。
まあまあかな(^.^)
渡海逃亡がままならず、地元の娘さんと逃避行を企だてた主人公は死んでしまいますし、
フランス自体降伏し、親独ビシー政権で余命をたもつ有様。
そんな後ろ向きな空気の映画がヒットするとは信じがたいと言えば確かにそうだ。


エゲレス版は、17年製作のかのクリストファーノーランの畢生渾身の大作。
製作費一億ドルらしいが、CGとか特殊技術ではなく、物動量にお金をかけたみたいです。
結果としてスペクタクルというよりドラマに仕上がった。
ハリウッド版ならダンケルクで袋の鼠になった四十万の兵士救出の為に動員された
民間船舶がドーバー海峡を埋め尽くしたり、
バトルオブブリテンを思わせる様な大規模空中戦なんかが満載なんでしょうが、
英国人(監督さんはアメリカンでもありますが)の感覚での作り方。
物足らないと思う向きもあるかも....


でも良く出来たシナリオです。

砂浜からなんとか逃げ出そうとする英国軍兵士
救出の為にダンケルクを目指す民間船舶の船長と息子
制空権のない中救出作戦を支援する英国パイロット

三つの物語が超層的に調和し、
捲土重来を期すチャーチルの議会演説が画面に重なる。
配役にスポットがあまりアタリませんが、結構重量級を揃えています。





それぞれのお国の立場が映画の視座にも現れていますってお話しでした(^.^)

2017年9月23日土曜日

品性下劣と思われると不本意(^^)



知性
教養
品位

をもっとうとする端正で堅牢なネットエッセイが売り物ですので、
こんな素材にも、、、食いつきます(^^)
なにかとツッコミどころ満載な三面記事的ヨタ話題ですが、
調理の腕次第でそれらしくもなるのです。

さて


この程度で停職半年は量刑不当で重すぎませんか?
単に兼業禁止規程に抵触しただけだと思いますし、
年齢や職種からしても、、、ただのサラリーマンですよ。
コレがJKもの専門のビデオに現職教頭登場ともなれば、景色は大胆に変わる。
この点は労働判例からも明らかです。

懲戒処分の記者会見リリースは自発的かなあ?
リークされて止む無くかしら。
個人名はマスクをかけるにせよ、社会的に指弾するまでのことは無かろうに。
結局退職に追い込まれ、彼の将来は??
まさかこの世界に身を埋めたりは、、、、

同僚がチクったらしいが、、、この同僚なる人物は
プロAV鑑賞家かなあ(^^)
聞き及ぶにこの手のビデオは男優さんの顔出しは極力避けるそうだから
マニアでないと気がつきにくいかも。
それに心理状態にも興味あります。
正義の実現のつもりかな。単に私怨だったかも。

この手のビデオであっても日本法では著作物です。
著作物の定義は「思想または感情を創造的に表現したもの」
著作物と認めない外国法制もありますが、さておき
普通のVシネマ出演ならどう処分しましたかねえ
過度な偏見なり差別意識の表れとジンケンハは騒がないのか!

あとどうでもいいが、安いギャラだ(^^)
よくこの程度でリスクを張るなあ。
職種柄あまり知的でもなかったか?なんて言い草も偏見なり差別意識です。

2017年9月22日金曜日

ボストンリーガル



ジェームススペイダー

あまり知名度がありません。
ブラッドパックアクター程度ですが、カンヌのベストアクターに輝いた事もある。
しかし、寄る年波でいささかプチぽっちゃり(^^)
でも顔付きが若々しいもんで、老練さを身に付けた若手敏腕(というより悪辣)弁護士なんかがお似合い。
曰く、悪人と善人、遊び人が同居するキャラクター

羨ましい
実に羨ましい

蝸牛庵もそう言われたい。実際そうなんだから(^^)
それに年俸が375千ドル!
しかし、担当案件の割には貰い過ぎ

コメディタッチのエミー賞に輝くテレビドラマ。
舞台はボストンのセレブ相手の高級ローファーム
豪華なオフィスに高級ファッションがお似合いな高級取り弁護士が数多登場。

なんですが、事務所の経営状態は火の車
そりゃそうでしょう。
正義が金になるのは知ってますが、金になりそうもない下流民の刑事事件なんかを度々引き受けるのです。
セレブの配偶者殺人容疑なんかだとガッポリでしょうが、そううまくはいかない。
テレビドラマに仕立てられるようなガッポリ事案なんてそうそうあるものではない。

それにしてもあれやこれや、手を替え品を替え紛争ネタが登場しますから
飽きがこない。
ひきかえ、倭国の弁護士ドラマはどうして正義を肩一杯に抱えて登場するのかねえ?
これはって感情移入できそうなのは、灰島秀樹クンくらいだ。








2017年9月21日木曜日

1枚目の「トランプ」


万犬虚に吠える...とは古今を問わず真理を表わす。
パニックになれば多くは冷静な判断が出来なくなり、冷静な判断が下す良識派までも
押し流してしまう。
真珠湾攻撃による恐慌状態は、本土上陸(攻撃)の流言蜚語を生み、
加えて、真珠湾攻撃調査報告書の虚構(在住日系人の後方破壊工作)が輪をかけた。
行政当局(陸軍、司法省、FBI)による西海岸からの敵性外国人追放計画案に対して
まだまともな思考回路がショートしていない担当官は冷ややかであったが、
多勢に無勢。
後はトランプのババ抜きゲーム(誰かにその作業を押し付けたい)

大震災の際の虐殺行為が組織的計画的に存在したのか否かは
浅学菲才故に詳らかにしないが、無秩序的錯乱行為として
かような悲劇はどこにあっても不思議ではない。

当時の西海岸には十万人強の日系人がおり、過半は二世(アメリカン)であった。
更に同数弱の独伊系住民もいた。
強制退去移住や爾後の管理監視、あまつさえ勤勉なローコストレイバーの
大きな穴をどう埋めるかを冷静に考えれば、他にもやり方は幾らでもあったはずだ。
しかし、虚に吠える野良犬ほど手を焼くものはない。

移民パワーを有効かつ適切に活用し、多様性への寛容がこの国の
活力の源泉だと思っていたが、それよりもホワイトファーストの方がより大事らしい。
なんちゃらファーストってイマドキの流行語だが、
蝸牛版國語辞典だと「我が身大事、自分勝手」と言う語義である。
時代はイントレランスなのです。
気に入らんからジャポネ、アラビアンは片っ端からアメリカンエネミーNO1という決めつけはいくらなんでも


ちなみに在米邦人強制移住命令は大統領令です。
この「1枚目のトランプ」大統領は人気度ベスト3クラスなんですが、
戦争に勝った指導者は七難隠すと言いますし、あるいは勝てば官軍とも。

ワースト3クラスに名前が載りそうな「二枚目さん」ですが....
不人気隠しに「愚かな事」をしないだろうねえ(戦争が全て愚かとまでは言わないが)




補足ですが、1944年に強制移住を余儀なくされた日系人が当該措置の違憲性を
訴えていますが、連邦最高裁は「当時の状況に鑑み正当な行為」だと棄却しています。
ジンケンハならば「司法は死んだ!」とアジビラを撒くんでしょうねえ。

大統領令発令の過程での多くの文書が軍事機密として開示されなかったようですので
そもそもまともな司法の判断が出来る状況ではなかった。
行政当局の裁量の範囲内であっても、なんでも出来る訳ではないのは当然。
あの時期に提訴した事が戦術的にどうか?とは思いますが、
まだ訴状を受理するだけの度量のある司法制度だったのだ。

しかし、前述の調査報告書ですが、報告責任者はロバートなる最高裁判事。
ウォーレン報告もそうでしたが、どうも司法関係者の手になる報告書なるものは、
謀略の匂いがします。

2017年9月20日水曜日

やめるにヤメラレナイ..だろうなあ






倭国の叙勲の場合、本人の功績、行状はもとより出身母体の身体検査結果も
問われます。
叙勲後の本人のスキャンダルもしかり。
フリンの場合は知りませんが、刑事罰に相当するような場合は
確実にアウト!で取り上げられるらしい。


翻って最高の栄誉らしい「あの賞」は貰ったもの勝ち(^^)
うろ覚えですが、今となっては倫理的に如何かと思われるロボトミー手術に
医学賞が授与された筈だが、その後剥奪したとも返上したとも聞いていない。
まあ、科学技術の場合は必ず光と陰がありますから、
軍事利用なんかを咎め出せばきりがない。


しかし平和賞だけは当たりハズレというよりハズレ外れの山ではないか。
業績の評価なりには時間がかかる。
何にだって、まことの花と時分の花がある。
とりわけ平和賞は「歴史の審判」を受けないと評価のしようがない。
受賞者一覧を眺めるに、団体としての受賞者は良いとしても
個人の受賞者は大抵が失礼ながら紛い物、、と言って悪ければ金鍍金。

キリスト教徒が運営しているのだから、法王庁の聖人選抜のメカニズムを
知らないわけはないだろう。
昨日今日にすんなり貰えるわけはなく、長い風雪に耐えてこそ。


晋書劉毅伝に有名な言葉がある

蓋棺事定(棺桶の蓋を覆いて初めて評価が定まる)

普通「ガイカンジテイ」と四文字熟語として使われますが、
漢検二級レベルの言葉。
しかし、含蓄深い言葉である。


本当は平和賞なんかやめちゃったら良いのですが、
創設者の意思からすればそうもいかないだろう。
せめては生存者は除外し、死後受賞だけにされては如何ですかなあ。
愚かしい政治的策謀も多少は減るだろう。


受賞リストを見ていてアレレとおもいましたが、
過去の二度の大戦中は受賞者がいなくて、終結した際に赤十字が貰っています。
複数回受賞した稀な例。

世界規模でドンパチのさなか、牧歌的に平和賞でもあるまい、、と言う意味かどうかは知りませんが、
ある種の示唆に富みます。
そうそう、冷戦最盛期も二年続いて対象者なしだった。

いまだって「テロの戦い」最前線ですよ。

2017年9月19日火曜日

角田版源氏



七度生まれ変わっても読みきれるかどうか分からない書庫の山に何度も誓ったはずだが、、、
フラフラに舞い込んだ書店に平積みされた


角田光代訳 源氏物語(上)


一体どんだけのバージョンを買えば気が済む。
原典すら二種類もってます。
3分冊で、中巻は来年の刊行予定
往々にして遅れるものだから蝸牛庵が生きているうちに完結するかねえ?

実を申せば、彼女の愛読者でもない。
母校の後輩とも知らなかった。
映画化された小説は映画をみて得心しただけで現物を読んではいない。
さっきまで「ツノダミツヨ」だと思っていた(^.^)
お写真も始めて見ましたよ。
しかし、彼女の失われた時を求めて(新潮モダンクラッシック版)には
圧倒された。
なんだか、ハルキ同様に作家としてはともかく翻訳家としては
評価しちゃうってタイプかも。
お亡くなりになった森瑤子さんもそうだだなあ。
なもんで、この文学全集なんか手に取るつもりもないが、
これだけは....
いつもだとアマゾンで買うのですが、サイン本があったから
迷わず店頭購入。
まるで、ミーハーの所業だ!

いつから読み出すが思案中。
中巻が出るまで我慢するかなあ、、、




2017年9月18日月曜日

秋の臨時国会





目玉は何かなあ?
勇み足や口が滑ったり、手癖の悪さが露見して「お目玉」状態に
ならないといいがねえ.....(^^)


憲法改正審議はとてもやれそうもない。
政権与党の不徳よりも国民的に第九条理解があまりに稚拙だから。
いつまでも売文左翼みたいな憲法改正反対学者を騒がせない為にも
さっさとやればいいが。
此処まで紛糾させた元凶は最高裁。
伊達判決の際には明確に安保条約を合憲、
在日米軍は戦力ではないと!言い切ったが、福島判決に対しては
控訴審は統治行為論
上告審は訴訟適格性で門前払い。

まあ陰謀も有りましたが、田中長官と団藤先生のテイストの差もある。
とっとと自衛隊合憲判断を最高裁として明確に出しておけば良かった。
しかし長沼ナイキ訴訟の時代に司法として自衛隊合憲判決は躊躇したんでしょう。
今なら自信をもってかな(^^)
だからレフトも最近は自衛隊違憲訴訟が不利だと悟っていますから
裁判所で騒がない。


ということで、労働法の改正とカジノ実施法案が山場か?
どっちもあんまり興味がない。
聞き及んでいる内容ならカジノが成功するとは思えないし、
労働債権の時効を民法原則に合わせるって改正は対象外みたい、、、
所詮は賭場だし多少薄暗い部分がないと太い客は来ない。
働き方の改革のキモって一体なんなんだ?
誤解を恐れずに言えば、労働生産性劇的向上策!
だから「働き方」とか言っているうちはお先真っ暗。
本丸は「働かせ方」改革。



そうそう、民法の成人年齢の改正をやるんだっけ?
そんなことより刑事罰の年齢のほうがさきだろう。
選挙分野の男女共同参画も合わせて「お目玉」で流れないかねえ


しかし、臨時国会の冒頭解散説もあるなあ。
この風雲急を告げる時期に解散かねえ。
国家の危機管理に衆議院議員は役立たずだと言っているようなものだが、
もしかしたらそうかも知れませんというところが哀しい。

2017年9月17日日曜日

関ヶ原(2)





再説しますが、司馬さんの原作に忠実に映画化するのであれば「会議室の陰謀」を中核に据えて
描くべきであった。
合戦シーンなんかろくに予算もないのだからオミット。
経過を図上演習マップでマンガチックに表現するだけでいい。

かつての最高のNFL映画は「ドラフトの駆け引き」だけを描いたあれ!
フィールドの激闘シーンがなくともスポーツ映画はつくれる。




いまんところ、アマゾンプライムには登場しませんが、
首を長くして待っています。



関ヶ原の合戦の名目上の大義は「何方が創業家の後見」の座に着くのか?
と言うこと。
家康にせよ輝元にせよ、早晩取って代わろうと言う野心は同じ。
経験不足な二代目に跡目を譲っても戦国の国盗り武将の血が騒いだ生き残り連中は
あちこちに居た。
誤算は呆気なく半日のワンサイドゲームだったと言うこと。
これは黒田如水の逸話に詳しい。


ある意味で嫐戦争でもあった。
正妻は尾張派。
子宝には恵まれなかったが、餓鬼の頃から慈しんだ腕白供(清正、正則ほか)
使嗾さえすれば、西でも東でもどっちにでもつく。
気分としては太閤亡き後の豊臣家には未練はない。
賢しらなあのメカケが気に入らん。

片や近江派。
淀君の血脈は高貴だし、嫡男を抱えている強みもある。
しかしながら、修羅場には「理や利」のような小賢しさよりも
ガムシャラな一念がモノを言う。
ここ一番の大舞台で決断ができない乳母日傘育ちのエリートはそんなものです。


三成は「義と利(理)」に生きる武将。
自分が正しいと思うことは相手も正しいと思ってくれるという天動説なオトコ。
天下分け目の大合戦なんかやらずとも、歴史の流れは
変わらなかったのですから、六番目の摂家としてミカドの藩屏の道を
選ぶという選択もないではなかった。


関ヶ原当時、家康は57歳。
年齢リスクとか多少の焦りはありますなあ。
以降の強引なやり方はひとえにそれです。

2017年9月16日土曜日

蝸牛庵の知らない遺伝学専門用語の世界





あるネット記事の引用。

--

メンデルの遺伝学の訳語として使われてきた「優性」「劣性」は、
遺伝子の特徴の現れやすさを示すにすぎないが、優れている、劣っているという語感があり、
誤解されやすい。「劣性遺伝病」と診断された人はマイナスイメージを抱き、不安になりがちだ。
日本人類遺伝学会とも協議して見直しを進め、「優性」は「顕性」「劣性」は「潜性」と言い換える。

--


ここまでは納得。
本来なら「優」という漢字に、発生確率の高さの意味はない(権威ある漢和辞典参照)
想像するに、英語で dominant と書いてあるからそのまま直訳したのだろう。
支配的、優越的と和訳されますが、この意味合いは「多数派」の気分が色濃い。
失礼ながら、最初に訳された先生は、バイリンガルでもバイカルチャーでも無かった。
明治のころの外来語の和訳の巧みさは一世紀を超えても燦然と輝くが、どうも遺伝学は・・・


ということで問題はここからで、ほかにも

突然変異は「変異」
変異は「多様性」
色覚異常は「色覚多様性」


実に面白い(^^)
突然変異は「多様性あるいは突然多様性」とはいわないのだ!
そもそも原語が違うということらしい。
いままでの変異は variation の訳らしいが、多様性なんて訳を当てますかねえ?
普通は、変化とか変奏ですよ。
ゴルトベルク「多様性」曲なんて言われると、バッハ先生が化けて出てくる。


objection と言いたいのが最後の言い換え
現在は色盲・色弱とは言わないようだが、色覚の異常性の程度を示すものでそれなりの意味はあるはず。
聞きかじりをひけらかせば・・・
色盲と色弱の違いは、医学的に網膜にある3種類の色細胞のうち1種類がない場合が「色盲」
一般の方より少ない場合が「色弱」
赤と緑等の色の見え方の「程度の差」を表す。

程度問題は様々ですが一定の職業においては適格基準として定めている場合もあるが、
それらの中には「色覚異常の無理解」に起因するものもありそうだ。


さて「色覚異常」は障碍かどうかということですが、どうも「多様性」と言い換える以上
障碍ではないといいたげであるが、それは妥当なのかね?
カラーバリエーションによっては識別に齟齬が生じる場合があることは事実だし、それに対してもガイドラインが定められていたはず
色盲でも世界が白黒映画のようにしか見えないということではないが、紛らわしい色使いに一定の配慮することは当然だし
特段それは障碍者差別とは無縁の世界。

どうも悪しき言葉狩りとか思えないし、言葉狩りが新たな差別を生みかねないって危惧のほうが大きい。
ちなみに「異常」という言葉はあちこち調べても差別語のライブラリーにはなかった。
もっとも、調べていると・・・

奇形は差別的だから「形態異常」と言い換えようってありましてね・・・こっちのほうがよっぽどって思うが・・




2017年9月15日金曜日

アルバ公爵夫人


スペイン国土を北から南まで自領だけを通って行けるようです。
一体どんだけの地所を所有しているのか?
ゲスの勘ぐりを鎧袖一触にするつもりか、資産の有高は非公開。
最近当代公爵夫人は亡くなりましたが、
遺産額は、蒐集品時価評価前で四千億円位だとか、、、
美術品は壁一杯に飾っても場所が足りず、その辺に積んでるそうです。

家格は、ウィンザー王朝に引けをとらない。
15世紀まで遡るスペイン屈指の貴族ですが、当代は稀代の整形マニア。
お若い頃の写真を見れば、﨟たけた美人だったのですが、なにを思ったのかねえ。
しかし、それよりも有名なのは、13代公爵夫人。
本名は文庫本で二行程度という長ったらしさ。
略して、マリアテレーズ(歴史上同姓同名数多で錯乱します)

驕慢な行動
王妃との諍い
ゴヤとの浮名
あの裸体のマハのモデル?
毒殺と噂される末路

時代を代表する「悪女」なのですが、西洋史のお騒がせオンナには
目のない澁澤龍彦が不思議と取り上げない。
彼は異端文学専攻の仏文科卒ですから、スペインは守備範囲ではない...とは
言わさない。
スペイン王室とは、ハプスブルク家とブルボン家の分家である。


ゴヤとの浮き名って正確な表現ではない。
なんせ八十歳以上も生きた絶倫の画家ですから、今風に言えは公爵夫人のセフレ、まあ男妾。
当然肖像画も書いてます。
複数枚ありますが、最高作は「黒衣の公爵夫人」
依頼により描いたと思うのですが、肖像画そのものはゴヤの手元にあり、
遺産としてぐうたら息子の手に渡り、いまはアメリカンのどっかにあります。
手元に残った理由はよく分かりませんが、公爵夫人の不慮の死か、ゴヤの心の問題か?
前者ならば退蔵され、人類遺産上不幸なことになったかも。
美人に描かれているとは思わないが、逝去された当代に面影が
似ています。

その後しばらくして、ナポレオンの侵攻を契機にスペイン全土に未曾有の災厄が襲い
ゴヤが一連の陰惨な版画集を密かに作成する機運となる。

戦争は戦争を生むとは、クラウゼウィッツだったか?
フランス革命はナポレオンを生み全欧に戦火を待ち散らかしたが、
その犠牲の上に近代フランスを産み出した。
しかし、スペインの惨禍は旧態然たる教会と王政にある圧政が復活しただけで
20世紀のスペイン動乱にまでつながり、結局立憲王政の復活なんて
現代に有るまじき体制に落ち着くしかなかった。

辺境なんて後進性の意味合いを内在させるとはロシアを見ても
やはりそうなんですよ。

2017年9月14日木曜日

関ヶ原



日本映画史上初めての本格映像化だそうです。
毎度の構想◯◯年なんてキャッチコピーは今時流行らないのですがねえ(^.^)
司馬さんの原作に概ね忠実....という事は原作の出来が映画作品のレベルの上限だという事です。
非常に面白い歴史小説ですから、映画も原作に沿った箇所は良いが、
勝手な創作部分と合戦シーンがなければそれなりかも。



蝸牛庵が製作者ならば、ファーストシーンは絶対にこれ。

時代は明治の初中期
場所は市ヶ谷の陸軍大学校
将来の帝国陸軍の中核となる若手の俊才達に参謀教育の真っ最中
プロシアから招かれた教官メッケル少佐は、関ヶ原の合戦の両軍の配置図を前に
瞬時に言い切る!

西軍の圧勝

そこで映像が変わり、タイトルの『関ヶ原』



実は神童と言われた蝸牛庵も、当時から子供相手の読物の戦図を観るに
どうして石田三成さんが負けたか不思議だった。
凡人となり、司馬遼太郎の「関ヶ原」を読み、始めて納得。


本当の合戦は会議室の調略(陰謀やら謀略)であらかた決まっているものだ。
後は想定どうり「裏切って」くれるかどうかにかかっている。
しかしながらこの有名なメッケルの逸話は伝説らしい。
何にせよ、メッケル少佐は正統的な歩兵操典のみならず、
後方攪乱等の謀略論まで教えた訳で、これは後に明石元二郎の活躍に結びつく。


これを契機に世界史に残る三大合戦として売り込もうなんて地元の目算は
勝手にやっていただいたらいいのですが、
歴史の分水嶺になるような戦いではないし、動員された大軍勢の多くは
洞ヶ峠状態。両軍あわせて二十万の激突なら規模としては最大級だが、
西軍の二割が裏切り....これじゃそもそも戦争にならない。

ちなみに、あとのふたつは

ゲティスバーグ
ワーテルロー

こちらはまぎれもなく「その時歴史は動き」ました。


比喩的に言えば

覇権企業たる豊臣HDは創業者とその後継者の確執の中で
幼い三代目を推戴して、傘下有力企業オーナーによる集団指導体制に移行
しかしながら、古参老練な代表取締役副社長と筆頭上席執行役員兼秘書部長が経営方針をめぐり反目。
三代目後見の座をめぐっての大規模な私闘が、関ヶ原の戦い。

という見立て。
実際は水面下のプロキシーファイトが一番の見どころ。
株主総会では、出席もしないし委任状も出さない、出席しても議決権行使書の未行使、
土壇場の反対投票なんかでタヌキの圧勝に終わりました。

予算に限りがあり、高度な撮影技術を駆使したり、大量のエキストラを集められない以上
だるい小競り合いを延々と見せられ退屈極まりない。
バッサリそういうシーンは切ればいいのです。
作家主義の監督ならそうするのでしょうが、
最近の製作委員会方式だと凡庸にしかならない。



2017年9月13日水曜日

マックとマクド(2)



映画ネタが多いのですが「映画批評」を書いている訳じゃない(つもり)
マクラというかアシライです。
だからと言って、いくら知見が有っても見てもいない映画を取り上げるのは
いささか行儀が悪い、、なもんで、意識高い系な映画館で見てきました。
特段新しい発見はなかった。

当時のハンバーガーの値段が15セント
チーズバーガーだと18セント
フライドポテトが10セントで、なんとシェイクが20セント!

ちゃんとした生ミルクからのミルクシェイクですから材料原価が異様に高く、
先々粉ミルクに変更しようとして本当の創業者兄弟と軋轢を生みます。

今の価格水準でいかほどか知りませんが、
倭国では「高級なファストフード」であったことにはまぎれもない。
なんせ、タクシーの初乗り料金よりも二、三割高かった。
今もそうですが、牛肉は高関税品ですから、牛丼も同じようなものだった。


なんだかんだあって、270万ドルと口約束の「無期限の利益の1%」で
一切合切を売却してしまいますが、口約束は当然に口約束。
兄弟は騙し取られたようなものですが、アメリカンビジネスマナーからすれば、
騙された方が悪いし、口約束なんか信じる方が可笑しい。


製作に関して、マクドナルドは全くのニュートラルみたいです。
協力も妨害もしない。
これもアメリカンビジネスマナー(^.^)
まあ「真実に基づく」映画ですから文句のいいようがない。

普通ならマックの店舗で割引招待券を配るところでしょうが、
マックマニア向きのお子様作品じゃないし、
やっぱり積極的に知って欲しくない黒歴史があるのです。


一年生向きのビジネス教材としては良く出来てますから、二次利用でも
もうけが出そうです。



2017年9月12日火曜日

モリ・カケ問題でよかった事とか悪かった事(^.^)





身から出た錆で必要な法案が廃案になったり、継続審議になったりするのは
政治の停滞を通り越して責任感の欠如というものでしょう。
しかし、つまらない法案が吹っ飛んでしまう効用もあります。


政治分野における男女共同参画の推進に関する法律案


こんなものを法律として制定して恥ずかしくないのかなあ。
政治後進国である事を天下に認める事だ。
実際そうなのかもしれないが、昨日今日独立したような新興国ならいざ知らず
近代国家150年の歴史が泣く。
民主主義が成熟さえしていれば無用なもの。

企業の経営レベルに於いては文科系も理科系もないのと同様に
政治の世界では高度な政治弁証法があやつれれば染色体はなんでもいい。
加えて最低限「情熱、責任感、判断力」を具備してくれればいい。



今回の法案は基本法というより理念法レベルですが、
国政選挙を含め政党等は候補者が男女均等となるように努力しなければならなくなった。
正確には「出来る限り同数」を目指すという事。


いまでも定数に見合う候補者(その名に値する)が擁立出来ているとも思えないのに
一体どうするのでしょう?
益々選択肢が限られるのであれば、もはや民主主義は機能しなくなる。
白痴バラエティ番組常連の政治評論もどきを口走り、
多少の知名度あり組が大挙して高禄を目当てに政治参入しそうな恐ろしい風景がアタマをよぎります。
アファーマティブアクションを一概に否定はしない。
町村議会議員ならかような制度があっても弊害は少ないだろうが、
例えとして妥当かどうかは別に、入学の下駄は許されても卒業に下駄をはかすものではない。
所詮下駄を履かせていただいたレベルはそのレベルでしかない事も多々あるが、
いわれなきガラスの天井がブレイクスルーされる可能性がないではない。


言っちゃなんですが、問題を起こすオスザルは数多いますが、
不祥事を起こす男女「比率」という見方をすればどういう景色になりますか。


ルブタンのピンヒールが似合う才媛はそう沢山はいません!


なおパリのキャバレーならいるかも・・・という意図もありません(^.^)
その前に政治の枠組みにおいてやるべき事は沢山あると思わないのでしょうか。


嫉妬心からか、メスザルだから余計にバッシングという声もあります。
しかし、身の丈を合わないことをやっているからという言い方もできる。
どっちが正しいかは、与太コメントや記事に惑わされず、、、それが良識ある主権者というものです。


2017年9月11日月曜日

「藪の中」の横浜地裁〜本当に三度目?




実に素晴らしい!
実に実に素晴らしい!!


ベネチア映画祭のコンクール部門に出したらしい。
受賞の可能性からすればアカデミーの外国語映画賞のほうだが、
興行(海外配給の可能性)を優先したのだろう。
ハリウッドのリメイク権の方が儲かるわけでもないのか?

ある種のリーガルミステリーである。
余計とも思える枕言葉に意味がある。
真実を直裁的に語らないところは、羅生門に似ている。
と言うか、真実なんかはありはしない、とりわけ「法廷」に於いては....
でも、真実は存在します、但し「法廷上の」と言う形容詞がつきます。


過去に殺人罪を犯した男がまた強盗殺人を犯した。
今度は死刑を免れない。
何故に犯罪を犯したのか?

検察の見立ては金品強奪目的の強盗殺人
しかし、被告の陳述は二転三転する。

動機は解雇された怨恨で、財布は爾後奪取(この場合は、殺人と窃盗)
保険金目当てに被害者の妻からの請託殺人(これだと主犯は妻)
被害者の父親からレイプ被害を受けている娘たるJKの気持ちを忖度して(情状酌量でまず死刑はない)
とどのつまりは「俺はやっていない」(裁判員裁判ですから公判前整理手続で決まった争点がひっくり返れば「振り出しに戻る」...のじゃないの?)


何もかも尤もらしく思える。
一番有り気なのは鬼畜の所業への報復なのですが、土壇場で冤罪を言い出したもんで
公判は立往生。
こう言っちゃなんですが、司法の世界も役人の世界によく似ている。
それらしく阿吽の呼吸ってもんです(^.^)

横浜地裁はお邪魔したことは有りませんが、どうやら横浜税関をロケ地に借りたみたいです。
普通のリーガルミステリーならば、最後の最後に卓袱台返し、、なんだが....
判決言い渡しのシーンはいささかおかしいが、
この辺りは裁判長の裁量だから慣例に反しても法令違反ではない。
一審死刑は必ず控訴するはずだが、そういう雰囲気はない。
それは本人が望まないというのがまあオチ。


なんとも言えず、不愉快というかしっくりこないままの予定調和感が、
是枝監督の力量です!
しかし、残念ながらシネコンのオオバコは満員御礼には程遠い。
グランプリでも取れば、、、って皮算用は大抵外れる。


2017年9月10日日曜日

手軽な...漫画喫茶雑感





近くの雑居ビルの二階に漫画喫茶なるものが出来ました。
かつては、ゴルゴ13や美味しんぼを読むために通いましたが、
今になってねえ.....

今んところシルバー産業ではないが、先々どうだろう(^.^)
たなの漫画本を眺めながらの衒学的考察も悪くはない。
毎度苦々しく言いますが、原作漫画本の映画がはびこり過ぎです。
なんとこの漫画喫茶には専用コーナーまで。
プロ映画鑑賞家にとってはお手軽ですが、どうもなあ、、、
アメリカンでは、マーベルとDCの派遣争いですから、倭国の比ではない。
倭国のこの業界、メディア産業としての覇権闘争の意欲に欠けますし、
これじゃ世界と戦えない(キッパリ!)

棚を見るに、世界と戦える素材はないではない。
しかし、黙ってアトラクションに一億ドルだせる度胸はない。
クラウディングファンドと簡単に言ってはいけない。
あれも奉加帳とおなじで然るべき投資家が最初にドカンと、、、

そんなミズモノじゃなくて、日本の将来を支える基盤産業に投資をって
言い訳が聞こえて来ますが、それも疑わしい。
毎度いいますが、稼ぐパワーの問題ではなく、使うチカラの問題の方が大きい。

知る限り、配当性向なんて糞くらえ!
株価で投資家の期待にこたえてやる!と豪語する経営者は少ない。
しかしなあ、成長を期待して買えるような株は見当たらないし、
配当利回りで買うしかないていたらく。
卑下すれば、衒学的金利生活者か(^.^)


2017年9月9日土曜日

ズイドコートの週末(タブロー・ド・ダンケルク)



主演男優はコンセルバトワール出身の大物。
人気も絶頂
ヌーベルバーグ騎士団のひとり

相方の女優さんは可憐だけが売り物ですが、
出自はベルギーの政治家の家系。
首相を幾人も出していると言われますから、岸安倍一族みたいなものです。
彼女でなければならない必然はないが、ベルギーがキーワード。

原作はゴンクール賞に輝くタイトルの通り。
邦訳があるようですが、未見。
聞き齧りをひけらかしますが、ダンケルクとは街の名前
ズイドコートは、界隈のコーストラインのこと。
西部戦線で崩壊した40万人の連合国兵士(多くは英国人)が袋の鼠
本来なら殲滅され、大陸反攻は不可能になったかどうかは判らないが
大きく戦況を変えた事は疑い得ない。

歴史上稀な奇跡の逃避行。
九割の兵士がグレートブリテンに帰り着き捲土重来を期したわけである。
大戦初期のヒトラー最大の判断ミス。


今年最大の話題映画のひとりが、クリストファーノーランの「ダンケルク」
当然ネタにするはずだとの...予想を裏切らずに・・
でもなんだかなんかオカシイですねえ(^^)


実は今までは64年版「ダンケルク」のネタ話(笑)
ジャンポールベルモントとカトリーヌスパークの共演
物量たっぷりなフランス映画ですが、いわゆる戦争映画じゃない。
絶望の中の人間ドラマなんてコピーだと興行的に有利じゃないが、
ド派手な戦闘シーンに乏しく、根こそぎ動員した民間船舶による奇跡の渡海作戦も描かれない。

蝸牛庵のフィルムグラフィーの記録には残ってますが、
内容等記憶はまるで消え失せてます。



2017年9月8日金曜日

Live by night



エドガー賞(長編賞)なるアメリカンの文学賞がある。
半世紀以上の歴史を有するが、賞のレベルとしてどの程度かなんとも言えない。

ロンググッドバイ
ジャッカルの日
笑う警官
寒い国から来たスパイ

ミステリー系文学史に残りそうな作品が受賞していますが、この受賞のお陰で歴史に残るわけでもない。
その文学賞の2012年受賞作品が

夜に生きる

邦訳もありますが、未見どころか存在すら知らなかった。
たまたま、例の高名な大根役者が....

製作
脚本
監督
主演 までやるって聞いたもんで、、、役者の才能以外は一目置いてますから、
とるものもとりあえず(^^)


配役の妙は、製作者としての力量を感じさせます。
これだけのワキを揃えれば、蝸牛だってシテがはれる(^.^)
ストーリーは原作との比較が出来ないのですが、上手くまとめています。
ある種の家族主義的フィルムノワールですが、スカーフェイスのような
陰惨な結末でもなく、ちょっとテレンスマリックを思わせる調和劇。
かの哲学的映像作家の作品に参加したことが良い影響を与えています。


全米の興収は惨敗だったので、ベンアフレックはバットマンのギャラで
借金を返すんでしょう。
まあその程度の製作費の映画です。

内容の割に多少残念な結果ですが、
無内容なアトラクション映画で稼いで興収を考えずに好きなテーマで映画を作るって
意識なら実に羨ましい。



2017年9月7日木曜日

演目が決まりましたが「放下僧」とはなあ





舞台のセンターを張った主役も老いては駄馬にも如かず・・ではないが、
いつまでも老残の身にスポットライトを当てていてはみっともない。
早々に「引き立て役」に回ることにするほうがいい。

能楽は「シテ」の一人芝居。
プロ能楽師は自分で「製作・演出・主演」で謡って踊ってお芝居まで・・・
世阿弥師匠の時代では「作詞作曲セリフ書き」までご自身でやっていたものです。

ということで秋の舞台は「ワキ」をつとめることと相成りました。
演目によって、大役の場合もあるのですが・・・今回は「吉良上野介」って(苦笑)

演目は「放下僧」の素謡
役柄は親の仇ということで兄弟に討ち取られる憎々し気な役回り・・・
実のところは、曽我もののように「仇討ち」自体に意味があるというよりも、
兄弟が身をやつした「放下」・・・遊芸で世渡りする大道芸人の所作を見せることがむしろ主題である。
当時は極めてコンテンポラリーな演目であったと想像されます。



素謡の場合、鏡板の右奥の切戸口から、ツレ、シテ、ワキが舞台に登場し、中央に座し謡が始まります。
多くの場合、ワキである諸国一見の僧が登場し、前置きのような口上を述べ、しかるべくしてシテの登場・・なんですが
今回はツレ(かたき討ちを企てる血気盛んな弟)が登場し、シテである出家した兄を勧誘しようとする。
まともに戦っては勝ち目がないので大道芸人に身をやつし(放下僧に扮して)油断した敵であるワキ(利根信俊)を
だまし討ちにしようってある意味で卑劣な物語

吉良上野介ならばもう少し出番があると思うのですが、ほとんどないのですよ(苦笑)
バックコーラスをつとめるサポーターのプロ能楽師は途中から登場するのですが、
まだワキの出番がない!
全体で30分程度(素謡の場合)の演目ですが、ワキの出番は

二場のアタマで六行(自己紹介の部分)
放下僧に扮した兄弟との問答
分量としては6ページくらいの場面ですが、ワキが問いかければシテ(あるいはツレ)が長々と答えるもんで
これまた出番は少ない。
肝心の仇討ちシーンですが、能でもワキの笠を本人に見立てて本望を果たすという象徴的な演出ですから、
素謡ともなれば、黙して座っているだけ。


これじゃまるで歴史ある檜板の舞台に座るために出演するようなものである(苦笑)
この程度だと、無本(暗記)は難しくないから、観客にプロだと勘違いさせることは容易だし、
地謡(バックコーラス)のプロの先生と同じタイミングで舞台に上がるかなあ。

2017年9月6日水曜日

腹が減っては...はやりひもじいわなあ(^.^)



公儀御口唇役


ノンキャリアの汚れ仕事ですが、子連れ狼ではなかなかのポストに描かれます。
要するに毒見役。
権力者の周辺には古今東西存在したとされますが、
職務上あまり語られることはないし、物語のモチーフになることも少ない。

伽羅先代萩
武士の一分 くらいか?

しかし、速効性の毒でもない限り、役目の効果は限定的。
お殿様と同じグルメが出来て嬉し....くもないだろう。
よく言われるのは、毒見の間に食事が冷えてしまうから、
高貴な方は猫舌ってのは俗説。
再度温めるらしいが、お味はなあ(^^)


まあ、暗殺リスクの高い権力者にとっては、不可欠なスタッフということで
現代でもそれなりに揃えているそうな。
実際に試食するのか、試薬で即断するのかまでは知らない。
一番安全なのはプーチンのように絶対に外食をしない事でしょう。
アメリカンもホワイトハウス以外は毒味役同伴らしい。


無知だったが「検食」なる現代の毒見役制度があるらしい。
学校給食を含め大規模な給食提供施設では、

サンプルの保存
試食

が厚労省マニュアルに定められている。
食中毒なんか発生すれば、サンプル検査で原因究明が速やかに行われるのは
いいとしても、
試食で未然に事故が防止されたと聞いた試しがない。
マニュアルによれば生徒児童に給食を提供する30分以上前に
校長ないし教頭が試食をすることになっている筈だか、、、

毒が入っていなくとも異臭を感じるとか、、何も感じない味音痴が
管理者なのかねえ?
実に恐ろしい事だが、寡聞にしてメディアに報じられたことがない。





ちなみに鬼役なるコミックあるいは読み捨ての小説がある。
主人公は、ズバリお毒見役
そんだけがミッションだとストーリーにならないもんで
余計なまでにヒネリがなあ、、

2017年9月5日火曜日

天地明察を読みながら



大昔は将棋名人と囲碁名人が互角に囲碁将棋を戦っていたのだ。
異種格闘技戦ですなあ(^^)

ボードゲームはインド発祥。
東西に伝播する過程で、チェス、囲碁将棋に変化したらしい。
ゲームとしての優劣を論じても意味がないが、手数の多さが難易度ならば
その順位なら容易につく。
しかし、難度を上げてもゲームとしての洗練さがつろくする訳ではない。
将棋の原型のひとつに「大将棋」なるものがある。
自分でさしたことはないが、およそ、盤面が大きくコマ数が多く、
一見して妙味に欠けるという印象。
ダラダラと十年以上戦った応仁の乱よりも半日で終わった関ヶ原(笑)


迂闊ながら、渋川春海=安井算哲 だとは失念していた。
後者は、徳川家お抱えの将棋指し
歴史に名を止めるほどの達人だったらしいが、所詮は太鼓持ちのような
遊興芸人。
本当に強かったかどうかは?
なんせ将軍御前試合なんてヤラセ(事前の勝負を再現)ですから真剣味がない。

しかし、前者は有数の天文学者にして数学者。
理科系の才無くしてボードゲームは強くならないとは今に始まった事ではない。
当時の倭国は太陰暦ですが、唐代の暦を後生大事に使っていた。
当然ながら無視できない誤差が生じ、苦心惨憺の末大和暦(貞享暦)を作成し、
改暦という八百年ぶりの偉業とないなった....という単純なサクセスストーリーじゃない。

どの暦が正しいのかの判定は単純である。
定期的に発生する日蝕、月蝕を予測、当てればいい。
渋川の暦は百発百中だったが、最後にハズレ、信用失墜。
改暦の機運も失われた。
百点でなくても、五十点よりマシなら、、とは時の支配者は考えない。

捲土重来、ミスを発見し改訂版を作ったのはいいが、
失った信用を取り返すのは大変。
過去の科をいつまでも持ち出すのは倭人の性癖。
まあ、理科系の世界でも正しい事が通用する訳じゃない。
偽造する科学と思えば、人文も社会も同類項。

そこで、あちこちでの指導将棋で培った人脈を通じた寝技、立技、
駆け引きに手練手管の粋を極めた政治工作で勝利を勝ち取ったのです。
この功績により、渋川は太鼓持ち稼業は辞めて初代国立天文台館長に成り上がった。


冲方丁の天地明察を斜め読みしながら、佐藤名人がAIソフトに惨敗した棋譜を
眺めていましたが、あれは(限らずですがね)対局条件設定交渉の敗北。
ボードゲームはスポーツの要素も強い知的格闘技。
であれば、体格の違いは対局条件に当然加味すべき事。
体力や持久力に公平にしないとやはりヒトザルは不利です。
将棋連盟は異種格闘技戦とはなにかを知らなかったし、AIにも詳しかったかどうか?


対局場やフィールドだけが戦場じゃなくて「会議室」こそが
主戦場だと言い続けている。
もう諦めていますが、正しいことが通用しませんなあ(^^)
少なくとも会議室での格闘技ではAIはヒトザルに遙かに及ばない、、はずだが、
国際会議なんかの負けっぷりをみてますと、最初にAIに負けるのはヤマト民族に思えて仕方ない


2017年9月4日月曜日

イスラエルのアマゾネス


世界興収は10億ドルを突破しそうな勢い。
アトラクションシネマの割にローバジェット。
なんせ、役者が安上がりばかりです。
バットマンやスーパーマン以上のフィジカル能力の持ち主がヒロイン。
夏のお子様ランチシリーズですが、多少真面目に論じてみよう。


所謂ギリシア神話に登場するアマゾネス伝説にインスパイアされているのでしょう。
舞台は作品により様々ですが、オリジナルの神話だと地中海界隈。
ギリシア神話の世界観って地球規模じゃないし、南米奥地なんてのは
アマゾン川(名前の由来は不明)の連想にすぎない。
カリブ海や太平洋のどっかなんて大航海時代の名残りです。
この映画でも東地中海の某島のようです。

オリンポスの神々の流れをくむ以上、最強なのは当たり前。
ちなみに、本名はプリンセスダイアナ😇
和風に言えば、、、「月野うさぎ」さんかな。
ここで問題になるのが、主演のガルガドット。
脇役程度であちこちに登場はしていましたが、さほど着目はされなかった。
実際にほとんど記憶がありません。
それが一躍大抜擢とは?
ゲスならマクラ営業なんかを想像するだろうが、
彼女はイスラエル軍出身(戦闘トレーナー?)であり、
言動の端々から「ある種の広告塔」の役割を果たしている模様である。
男性社会であるハリウッドに女性監督が女性映画で挑戦した!なんて牧歌的なものではなさそう。


戦争の惨禍は有史以来の事ですが、地球規模で未曾有の災厄をもたらしたのが第一次大戦。
これ以上の惨禍を防ぐために、悪を撒き散らす軍神アレスとワンダーウーマンが激闘するという粗筋。

ダイアナとアレスはどちらもゼウスの子供ですので、
ミカエルとルシフェルのように一神教に有りがちな善悪は表裏一体コインの裏表。
いつはずみでダークサイドに堕ちるか判らないが、
最後の戦いで、光は闇を覆い尽くす...てな神話的ファンタジー。

宗教性に乏しい倭人は鈍感なんでしょうが、イスラム系にとっては
シオニズムの広告塔のような女優さんが戦闘服らしからぬ肌も露わな装いで
仁王立ちされるとこころ安らかではない。
劇場がソフトターゲットにされない事を祈ってます。


どっちかと言えば、秋公開の「ジャスティスリーグ」の
露払い。
興行的に勢いがついたとはいえ、桁外れな製作費のようですから、
かなりなリスクテイキング。
素材としての興味はなく、だだそれだけ(笑)

2017年9月3日日曜日

モチーフとしての「レイプ」



厳しいレイティング認定の結果、観客層が限定されても、
過激さが商売になると考える向きもあるだろうし、
過激なモチーフこそが芸術の真髄を生み出すと思う製作者も....


手放しに肯定するような作り方は映像人倫理に於いて許されない。
AVだってレイプ物は「レイプは犯罪です」とかなんとか空々しく😤
従い、商業映画製作としては最新の注意を払うせいか、佳作秀作が多い(ように思えます)
あちこちを参照しながら、知の大伽藍を探し回るに、、、
多くの大物美人女優さんがエジキになってます。
一昔前なら、汚れ役御免清楚美人系ってありましたが、最近は流行らない。
えり好みをやっていれば役にありつけないし、
社会性豊かな過激問題作に出る事こそ、女優の勲章


シャリーズセロン(スタンドアップ)
モニカベルッチ(アレックス)
ジョディーフォスター(告発の行方)
ニコールキッドマン(ドッグビル)
ヴィヴィアンリー(欲望という名の電車)

そして
イザベルユペール(エル)

理屈が多いことに定評のあるフランス映画だし
個人主義の権化なフランス人の大女優の熱演。
ありきたりなレイプ映画ではないところがプロ映画鑑賞家を唆るのです。
しかし、此れ程被害者を含め登場人物に感情移入が出来ず、悪意を覚え不愉快になる魅惑的な映画とは
いやはやなんとも....苦笑
講釈はネタバレになるので、チョット話題をひねりますね(笑)



知らない間に改正性犯罪関連規定が施行されていた。
改正法公布から二十日後とはなんとも短兵急。
更に、非親告罪化は遡求されます。
遡求処罰は刑法原則違反と騒ぐのは勝手だが、これは実体法ではなく
手続法の事。
半可知なレベルで騒ぐと恥かきますよ。


今回の120年ぶりの「大改正」
まずはあの団扇の女性法務大臣の執念が身を結んだと言う事。
オスザル大臣だと多分出来なかっただろう事は語り継がねばならない。

暴行罪や強制猥褻罪は変更なしですが、

(準)強姦 → (準)強制性交等に構成要件変更
監護者性交等の罪の追加
集団強姦等の罪の廃止(単独でも集団並に処罰が厳しくなった)
非親告罪化
厳罰化(まず実刑しかなくなった)

とまあレイプ魔には恐ろしい事になりました。


強姦とは強制姦淫の略だとおもいますが、
姦淫と性交は違うとされ、更に「等」がつけば今迄強制猥褻罪が適用された様々な
類似行為が須らく対象になる(オスも晴れて被害者になれます)という
画期的な事なのです。
対象の有無の微細な説明はさておき、何処まで類似かという議論に関しては、
少なくとも強制猥褻罪の処罰強化で
対処すべきだった。

しかしながら、これで性犯罪がかげを潜めるかどうかはなんとも言えない。
処罰対象行為が拡大しても「強制」の要件は変わったわけではないそうだ。
暴行脅迫がなければ強制とは言わない。
強制の立証は検察側です。
密室の事ですから、なかった事と同じくらいあった事の立証は難しい。
暴行ならまだしも脅迫なんて身体にキズも残らない。

監護者であれば強制要件が緩和されるようだが、監護者の範囲は限定的。
体操やボクシングチームのコーチ等は該当しない様だがこれは如何か?
性犯罪の加害者の多くは顔見知りと言われる以上、強制要件の再定義を含め
積み残し課題だと思います。

非親告罪化については実務家からは疑問視もされてますが、
性犯罪の法益を深く考えれば、当然と考えるのが妥当だとおもいます。
しかしながら政府見解は相変わらず「性的自由の侵害」だと、、、
むかし学校では「貞操」だと教えられましたから多少は進化したか。


更に言えば、性犯罪者の再犯対策が付帯決議にない事の方が
問題。
出所後の一定期間はGPSの足輪を巻くくらいG7諸国では当たり前ですし、
この点ではあの半島国家に遅れをとっています。

アメリカは半分程度の州での実施にとどまるようですが、
刑務所の中で一番虐められる犯罪者らしいので、五体満足で放免される事はないらしい。
こういう「処罰」が、一番抑止効果あり!なんて
口に出して言ってはいきませんよね。

と言うことで、エルに戻りますが、
ユペール女史には厳罰化なんかの必要性を感じませんなあ(^.^)

















2017年9月1日金曜日

ゴヤのこと





堀田善衛さんの評伝を再読しています。
サブタイトルは「スペイン 光と影」
ベタですが、スペインとはこういう言い方しか出来ないのだろう。

スペインとは地球規模での最初の世界覇権国家ですが、
覇権国家らしく国家、国土、国民が繁栄をしたという印象はない。
当時の文明の頂点にいたクラッシックローマやイスラム支配から脱却し、
世界覇権を築き上げたのが16から17世紀。
地球規模で収奪した富を無為に浪費し、落日を迎えたのが18から19世紀。
使い切れない財で、インフラ整備、産業振興、社会福祉、教育の充実なんか、
どれをとっても不毛以下だったからやることは山とある。
しかしながら、須らくフランスやイギリス、イタリアから金で買うという愚昧な支配者たち。
つまり、潤ったのは近隣国。
近代化の遅れをとり、名実共に辺境化したのはそれだけの理由があったってこと。


幸いな事にプラドの絵画群にその栄華の片鱗をとどめているだけでも大したものだが、
一部の天才による絵画しか残らなかった。

ベラスケス
エルグレコ
そして....ゴヤ


絵画とは無為な美術品ではあるが、ある種のスポンサーにとっては
実用価値ある道具である。
絵画の宮中席次は宗教画、歴史画、王侯貴族の肖像画なんかを上位に
昨今人気の印象派風風景画や風俗画なんか、まだブルジョアジーがスポンサーになる前だから
お呼びじゃない。
とりわけ肖像画はお見合い写真や遠隔地の祖父祖母へのお土産ニーズ(孫の写真)が
高かったらしい。
画家というより絵師に近いし、待遇もその程度。
堀田さん曰く、宮廷お抱えの道化師やコック程度。
美意識や批評精神に満ちた芸術家なんて幻想である。


その意味で、画筆の力で社会批判なんて、ゴヤを萌芽とする。
おりしもフランス革命の前後。
偉大な芸術家とは「時代を切り開く才能なり」があるのですよ。


(あとは後日に)