2018年5月5日土曜日

女は二度も.....



なかなかの力作だという事には、激しく同意しますが、
なんとも言えないベタな邦題。
哀しさを通り越して泣きたくなる。
が、考えた宣伝マンは相応の雑学がある。
女は二度....って、この手のある種の慣用句
しかし、適切かどうかは論外。


ヒロインはダイアンクルーガー
初めてスクリーンでドイツ語を喋ったドイツ人の国際派俳優
熱演だとおもいます。
クルド人の夫と愛息をネオナチテロで失って...

過去のトロイのヘレンやマリーアントワネットより遥かに適役
そもそもそんなに美人じゃない(^-^)
カンヌのベストアクトレスは、まあ順当。

当然有罪になるべき一審で、無罪判決
そこから、彼女の復讐劇が始まるのが映画的には山場なのですが、
蝸牛庵的には、初めて見るドイツの刑事法廷が興味津々。

裁判官席には五人の裁判官
センター以外は、所謂裁判員のような立場のようです。
不思議な事に(ホンマかいな?と未だに思ってますが)
検察官と被告代理人で争うのでなく、
被害者(の代理人)と被告(代理人)が争うんだわ。
検察官のように被告や被告側証人をとっちめてもいいのかね?

法廷戦術的には、被害者代理人の戦術的失敗...だろうなあ
推定無罪の原則通りになった。
犠牲者の夫は売人の前科があり、ヒロインも常習者手前
ストレス緩和のために代理人弁護士から大麻を譲り受けるなんて...
二人とも脇甘すぎます。
警察の捜査能力の稚拙さもありますし、
検察官は何をやっていた。
事件の時には、被告はギリシアにいた!?
EU域内ですから、出国履歴はなくともアリバイ検証のやりようはあるだろう。
ミステリードラマとしてはすこぶる出来が悪い。
確信があるわけではないが、大方のドイツ人にはナチス(ネオナチ)へのシンパシーが、
内蔵的に染み込んでいるようにも垣間見えます。


オリジナルタイトルを、かっこよく訳すれば

虚無の底から

文芸作品なら悪くないが、映画的ではない
だからと言って

女は二度決断する

は....確かにヒロインは二度決断しましたが、
タイトル的にはないと思いますよ。


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