2018年6月12日火曜日
容疑者カール・ハインリッヒ ・マルクス
映画に登場する「マルクス」なんて....?
はい!
グルーチョ・マルクスです
洒落ならばこうにしかならないが、世界にはまだ、
映像を武器に闘うシュギシャ映画作家がいます。
倭国では死に絶えました...多分ですが。
生誕二百年記念だがなんだかで、マルクス・エンゲルスが主役の
映画が作られたことは慶賀の至り。
いまこそ不平等な格差体制に怒りの鉄槌でしょう!という意図ならば
更なり。
彼らの空想的な理想主義はどこでおかしくなったのでしょうか?
映画はそれには答えてくれません。
パリでの共産党宣言発刊までしか描いてくれないのは...卑怯ってもの(^-^)
若き日のカールマルクスとエンゲルスの友情を描くのが製作意図のようですが、
彼の思想的結実はその後のロンドン時代。
資本論が大英博物館の図書室で産まれたことはあまりに有名。
個人的には「経済学・哲学草稿」が一番好きですが、
これは更に若かりし時代の思索の結果。
しかし、彼の生涯は、ブルジョワジーのお財布にたかりながらの
内ゲバの日々だけだもんなあ。
闘うべき相手はそれじゃないだろうと思うのですが、
この純化路線とも言える傾向は、マルクス以来いまに続く伝統だし、
結果多くの左翼勢力が自壊の道。
某国の野党も似てます.....
ところで特段たかりを非難しているわけではない。
逆にエンゲルスの物心両面の支援なかりせば、
ただのルンペンインテリゲンチャだったと言うことだし、
資本論を書く前に餓死していました。
1880年、切り裂きジャックに遡ること八年。
原型とも言うべき連続猟奇殺人がロンドンイーストエンドの
ライムハウス地区で発生。
ホワイトチャペル地区より更に東に下町みたいです。
大英博物館図書室の蔵書に書き込まれた犯行声明。
スコットランドヤードは、疑惑の四人を特定したが、
そのひとりが、札付きのカールマルクス。
時代的に彼の晩年です。
連続猟奇殺人をやるほどの体力はもはやない。
気力がまだ残っていれば、冤罪を晴らすために
ホームズの向こうを張ってとなるのですが....
それはそれで格好のミステリー素材。
なかなか良く出来た知的なスリラー映画ですが、
B級スリラーみたいな邦題で損をしています。
原作本のとおり「ライムハウスのゴーレム」がまだまし
図書館だとミステリーコーナーではなく
英米文学の棚にありました。
なんと白水社の刊行なのですが、翻訳本タイトルをそのまま
映画作品のタイトルにしたようです。
原作の構造が複雑なもんで、そのまま映像化しましたから
場末の観客に分かって貰えないかも。
東京ならば、シャンテ、ル・シネマにかかってもいい内容。
お高くとまってる岩波ホールは無理(^-^)
蝸牛庵が映画作品に求める、耽美、官能の佇まいはないが、
倒錯と頽廃の翳りにはそそるものがあります。
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