2019年9月13日金曜日

日本のドストエフスキー(2)


高村薫の新作、我らが少女A


主な舞台は、西武多摩線界隈

多磨霊園
調布飛行場
警察大学校
そして、ICU(高村薫の母校)

その界隈出身の風俗にまで堕ちたオンナが
池袋のアパートで同居オトコに不条理に撲殺される。
そして、無意味な殺人が、十二年前のコールドケースの
分厚い氷層を溶かし始める...なんてな展開です。

アタシって、ついどICUが何処にあるか知らず、
かの名作「照柿」の舞台もこのあたりで、殺風景な場所を
舞台にしたもんだと勘違い。
まあ、登場人物達の荒漠とした心象風景には相応しい。


アタシがリアル書店の店員ならば、現代文学コーナーに
並べます。
一般的には社会派ミステリーなんだろうが、
解きほぐされる謎は、年老いた美術教師の殺人事件の真相ではない。
登場する中学から高校あたりの少年少女とその周辺の大人たちのさまざまな陰翳。


本当に真犯人は少女Aなのかなあ?



思えば、ドストエフスキーは殺人小説を沢山書いてます。

罪と罰..強盗殺人
悪霊..リンチ殺人
カラマーゾフの兄弟..尊属殺人

ちょっと珍しい

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