やっと秋の雰囲氣だし、お稽古用に「紅葉狩」の謡本を、、、
初心者向けの人気曲なんですが、
舞台は信州戸隠あたり。
山谷は一面に紅葉りて、川は赤黄の錦の流れ
若武者の山越えの途中で、酒宴半ばの上臈(実は鬼女集団)が声をかける(はやい話がナンパ)
誘惑にまけて、さしつさされつ、、、叙景たっぷりに微かに濡れ場な叙情も加わり、、、
一転しておそいかかる鬼の集団。若武者少しも騒がす重代の名刀振りかざし大立ち回りのスペクタクルも
晴れて鬼退治と相成り....
とまあ見どころ謡ところ満載。
ところがだ、、、、こんな詞章があるんだわさ
....
されば仏も戒めの、、、殊に飲食を破りなば
邪婬妄語も諸共に 乱れごころの花鬘
....
アタシは真言宗の在家私度僧を自負するから、毎日の勤行(つまりはボイストレーニング)は欠かさない。
毎日「十善戒」、、、読んで字の如く日常的な戒めというか護るべきこと
弟子某甲 尽未来際....(仏陀の弟子であるアタシは未来永劫これらを誓い申す)
身業(具体的な行い)として三つの事はしない。
ヒトザルの基本倫理としての黄金律であり、ことさらの説明を要しない。
次に口業。言葉や発言は災いの元だから、気をつけるべき四つのこと
嘘をつかない
飾りばかりの空虚な言辞は弄さない
悪口は言わない
二枚舌を使わない
最後が心の内面(気持ちの持ちよう)
むさぼらない
怒りまくらない
間違った考えを捨てる
誓うが出来ないこともあるし(^^)
それはまあさておき
真言宗徒はかように教えられているのだが、空海の風下にたつことを潔しとしないのか、別の十戒をかかげる宗派があるようだ(アブラハムの宗教もそうだが、天台宗系)
善し悪しではないが「飲食(オンジュ)」の戒めを十善戒のひとつに数える。
要するに禁酒の勧め(文理解釈的には酤酒戒、酒の売買の禁だが、趣旨的には飲酒禁)
酒を飲めば心身が耗弱し、嘘偽りを口走りあらぬ淫らな振る舞いを、、、我が師空海ならば、笑止と喝破するのだろうがなあ。
世の中凡愚の衆徒があまたいるってことだ。
アタシは酒呑みのプロだから飲んでも呑まれない、、、つもり(^^)
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