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温雅な詩情と高邁な文明批評と透徹した現実観照の三面が備わる多くの優れた創作を出した他
江戸文学の研究、
外国文学の移植に業績を上げ、
わが国近代文学史上に独自の巨歩を印した
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はっきりと申し上げますが、別に批難ではなくこのような「祝詞」から永井荷風をイメージするのは、、、アタシには無理だ。
有り体に言えば、破滅派とまでは言わないものの無頼文士のひとり。
エリートとも言うべき父親が決めた嫁はさっさと叩き出し、後妻は芸妓上がり(その後は芸妓、賤婦、酌婦、私娼を誰彼なしに渡り歩く)
学歴譜を眺めるにあちこちの学校を転々とし、アメリカとフランスに留学(というより遊学)をしているが学位とは無縁ながら三十そこそこで慶應義塾文学部教授。
けだし才能や栄達は学歴だけでは推し量れない(^^)
三田文学の基層を作ったのは彼だろうが、あまりにも気風が違う、、、からだろうが早晩喧嘩別れでもなかろうが、、、
それからの高等遊民らしい生き方の方が荷風らしい。
ちなみに、冒頭の引用は、文化勲章の受賞理由の一文です(つまりは、文部省的霞ヶ関文学ってこと)
勳績卓絶とはこういうこと、、、だそうです。
しかし、彼の歴史に残る文藝には
温雅な詩情
高邁な文明批評
透徹した現実観照が備わっているのかねえ?
少なくとも温雅な詩情はあまり感じない(感じる作品はあるにはあるが、アタシの琴線に触れないし、今時誰も読まない、、、と思う。
一番人気は、濹東綺譚ですからねえ(^^)
To be continued
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