アランドロン
享年88歳のご逝去を悼み、、、、
でも極私的な追悼の言葉には困る。
どんなブスでも死ねば美人だが、著名なムービースターに手垢のついたおべんちゃらは、逆に彼の名声を毀損しかねない。
代表作は「太陽がいっぱい」と誰もが、、、いかなる天邪鬼でも無視はできない名作スリラー
原作者ハイスミスはリプリーシリーズとして書いたわけで、映画のように第一作であえなく捕まったりはしていないが、あんなピカレスクロマンの連作なんかは敬して遠ざけるアタシ(^^)
あの映画の一番の見所は、ヨットの中での三人(リプリーと富豪のドラ息子と彼の恋人のブルジョワ娘)のお食事シーン(メイン料理はおさかな)
ちゃんとした食事マナーが出来ない事で嘲られ虐められるリプリー
そん時の上眼つかいの哀しみ、妬み、微かな殺意なんかを含めた眼差しがなんとも言えない。
アランドロンはインドシナに従軍し除隊後職にありつく為にカンヌ映画祭会場あたりをうろついていて「運良くスカウト」されたのが出世の第一歩
そんなエピソードの背景は容易に想像出来ます。
淀長さんは、この映画に「ホモセクシャリテイ」を感じ取ったと言うが、、、アタシにはわからないというか、フレンチフィルムノワール系には当然のテイストです。
しかし、かの赤いゲイ貴族であるルキノヴィスコンティは、二作品で彼を起用しています。
この貴族の趣味の高踏さには定評がありますから推してしるべし
その後は、少なくても下流民が這い上がり、それなりの優雅な立ち居振る舞いを身につけたのだが、、、でも、嫌な言葉だが血は争えない。
塩野女史のエッセイにあったが、、、
あまり気の進まないお仕事の代償にアランドロンのダーバンのテレビCMを全て見せてくれるのならばって条件
アタシだって、東レ全盛期のあのCMなら全部見てみたい。
映像に堪能した女史曰く、、、
素晴らしかったわ
でも、あの食事シーンにはなんか齟齬感が
CMディレクターが意を得たりと
そうなんですよ
テーブルマナーにはなんらミスはないんですが、何回もテイクしたんですがうまくいかなくて
まあもって生まれたものとはそういうもの
成功した人生だったのだろうが、、、チマチマと老残の姿を晒さない方が良かったのに
合掌
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