2015年4月7日火曜日

ポーランドの「誤解」




なんだか近親感を覚える国です。
西洋の辺境ですが・・というか、辺境なるがゆえに西洋文化の精華が見られる。
興亡の歴史が切なく、その思いまでもが芸術を昇華する。

高名なピアニストが首相に就任したお国というのが、キャラを表す。
ショパンなんて言うに及ばず。彼だってピアノの詩人と呼ばれるよりも「愛国ピアニスト」なのです。
辻邦生さんの「樹の声 海の声」
白樺派の周辺にいたらしい一華族女性をモデルとした長編ですが、彼女の生涯の伴侶は
亡命ポーランド貴族の末裔だった。



激動の歴史を背景に「ポーランド映画」は、

不安
苦悩
絶望

とてもじゃないが、明るいってイメージは全くない。
そんな映画ばかりでも無かろうって思うのですが、なんせ体系的な「ポーランド映画史」本は
あるにはあるが、ちょっと手が出ない稀覯本。
定本を読まずしてポーランド映画をネタにするのはエチケット違反ですが、まあ固いことを言わず(笑)



ポーランド派と言われる一群の映画作家を中心に世上の評価は高い。
しかし、オスカーの外国語映画賞とポーランド映画の相性は良くない。
1963年以降毎年出品していますが、ノミネート(最終の五本に残ること)は、過去9回。
やっと、第87回で賞に輝きました。
カンヌやベルリン、ベネチアでも、最後のところで手が届かない。
やっぱり映画は優れて資本主義的な娯楽なのですよ。
一般大衆の支持があってなんぼの世界。



そんななか、稀な東京での休日です。
映画後進圏ではスクリーンにかかりようのないポーランド映画三昧。


イーダ
パブーシャの黒い瞳


ずっしりと胃が重くなった。
歴史に翻弄されるポーランド現代史の光と影の狭間で・・・って定番惹句は聞き飽きた。
ユダヤ人やジプシーを迫害したのは、ファシストとスターリニストだけじゃない。
ナチスにシンドラーがいたように、ポーランド人のアイヒマンもいたのです。













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