2015年4月27日月曜日
捨てる神とか拾う神やら
高額年収と名声あるいは社会的地位を保証されているはずの弁護士稼業ですが、
かの司法改革のおかげで単なるブラック職業になりつつある。
底辺を広げれば、富の分配システムがおかしくなるのは当たり前であり、
生活保護弁護士が出てきてもそれは致し方ない。
蓄えもなく、顧問先にも恵まれない高齢弁護士は、年金と国選弁護稼業で
糊口をしのぐ有り様だとか・・・
さしたる法律知識がなくともできる過払い返還請求稼業も底をついた・・・
弁護士会の懲戒件数も千件を超える有り様。
衣食足りて栄辱を知るとは、まさにこのことである。
しかし、焦ること・諦めることはない(笑)
彼は、土木作業員の子供としてアーカンソー州(全米最貧困州らしい)に生まれた。
思うところがあって、ボロ大学のロースクールを出て、貧民相手の弁護活動を
十年ばかり・・・
まあ、雑多でクズみたいな事案ばかりを扱ったのでしょう。
十代の頃は低賃金の3Kアルバイト三昧だし・・・明るい未来なんか欠片も見えなかったに違いない。
しかし、日常雑記のような日記書きの習慣が身を助けることとなった。
評決のとき
法律事務所
ペリカン文書
依頼人
処刑室
原告側弁護人
陪審評決
雑多な体験を元に書き上げたリーガル・サスペンスはことごとくベストセラーになり、映画化も・・・
NYのロー・ファームのパートナーでも及びもつかないほどの富を得ることに成功した。
邦訳されている最近作は・・・
司法取引
巨大訴訟(・・・これは以前にブログネタにしています)
司法予備試験経由で弁護士になれると金メダルということで大手事務所から声が掛かる。
それでない法科大学院口は・・・諦めずに雑多な反吐が出そうな事件をコツコツと十年ばかり
追いかけること
そして、満を持してベストセラーを書き上げる。
文学に興味が無いとか字を書くのが嫌いって・・・そんな趣味嗜好であれば
人間を辞めた方がいい。
本当の名医とはシェイクスピア程度はちゃんと読んでいるというではないか
弁護士もしかりである。
彼・・ジョン・グリシャムは、ヴァージニア州の片田舎に住まいしていた頃
野球グラウンドのない寒村だもんで、
私財を投げ打って全米最高のリトルリーグ球場を寄贈したらしい。
ざっと数十億円(・・・今までの稼ぎのほどがわかります)
たかがミステリー作家ですので、一流文学者として歴史に残ることではないが
オカネの稼ぎ方と使い方は、一流だと心服した次第。
いまは「司法取引」を読んでます。
途中までですが、取り立てて面白くはない・・・が、多分下巻でどんでん返しがある。
悪党の稼ぎの上前をはねるって、アンモラルどころかイリーガル。
それを司法取引で「免責」にしちゃう話みたいです。
巨大訴訟は面白いかったし(ゴリアテに挑むダビテって永遠のヒーロー)、
映画化された中では陪審評決(ニューオーリンズトライアル)が一番かな。
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