2015年4月22日水曜日

グランドスラマーの運命



ビッグタイトル(主要な大会)を全て制覇することとされる。
ゴルフやテニスが有名だが、他にも多々ある。
とりわけその年で全てに優勝すれば「年間グランドスラマー」として
その栄誉を高く讃えられるが・・・

テニスでは何人かいますが、ゴルフはキャリアグランドスラマーしかいません。

しかし、知的競技においてはかような物言いをしない。
羽生さんが主要な全てのタイトルを制覇した時(七冠王)にも「グランドスラマー」とは言わなかった。
どうしてかってことは別にどうでもいい。
実質的に彼は最高の棋士だということです。


しかし、毎年大会が行われる競技であればチャンスが何度もある。
その意味で価値はあるものの、価値の程度評価は様々
従って、有史以来最高のグランドスラムは・・・

 
この同年度に開催される三大会全てのピアノ部門に優勝すること!!!


ショパン国際ピアノコンクール(5年毎)
チャイコフスキー国際コンクール(4年毎)
エリザベート王妃国際音楽コンクール(3ないし4年毎)


 
ビックリマークがいくつあっても足りないくらいの偉業だと思います。
生涯にチャンスは(・・多分)一度だけ。
さらに言えば、有史以来同年度でこの三つの大会が開催されたことがない(笑)
ショパンとチャイコは、1970年、1990年に同時開催され、
最小公倍数的には2010年のはずが、様々支障があってずれてしまい・・・
さてさて、2015年が四半世紀ぶりの同時開催年
エリザベートは、2013年開催でその前は2010年。
最高のチャンスの年だったのですが、真に残念でした。
興行的にも、一年間で三大タイトル同時開催って「旨味」がないって
胴元の薄汚れた打算もあったのかもしれません。
元凶はスラブ人。
 

今年のショパンとチャイコはどうなるんでしょう?
過去の歴史を見るに、当然に同時優勝者はいません。
90年にアメリカのケビン・ケナーが

ショパン:2位(優勝者なし)
チャイコ:3位


くらい・・・
しかし、知らないピアニストですねえ(苦笑)
ちょうど今しも来日演奏ツアー中。
多分、セールストークは「史上唯一の同時入賞者」ですよ。


・・・と思いきや、アジア系ヴァイオリストの伴奏者みたいです(つまりただの脇役)
権威あるコンクールの優勝(入賞)とはゴールではなく、
スタートラインってよくわかりますねえ。
フィジカルスポーツと知的格闘技は本質がちがうのですよ。
 
失礼ながら、三大ピアノコンクールも芥川賞なみになったようです。









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