2020年6月15日月曜日

オトシマエに時効はない





余計なお世話だが、同じ「戦犯国」として、
ドイツと比較される事の苛立ち...曰く「謝罪」が足りない。
憲法前文であれほどの痛切な悔悟を明記している以上、
まだ足りないと言うのは「銭め」だろう...って口には出さないが

それに引き換え、立派なドイツ...なんだそうです。
確かに、ナチスの犯罪は風化する事なく、手を替え品を替え
とりわけプロパガンダ力の高い映像に描かれる。
優れて資本主義的な藝術形式ですから、作家主義だけでは作れない。
一体製作費はどっから出てくるのだろう...
他方、倭国の忌まわしき軍閥の悪行なんか、絵になると思うが、
商売にならないと算盤を弾くからか皆目作られる事がない「落差」
素直に...問題意識の差かどうか(浅学菲才なアタシには判らない)


ストレートにナチスの犯罪を描く手法は影を潜め、素材的に
ユニークになってきた。


ドイツの大企業のトップが惨殺された。
犯人はイタリアからのゲストアルバイター
犯罪事実に争いはないが、動機について頑なに口を閉ざす...
ミステリーとしての出来栄えはさほどではないが、
描かれる内容は、懺悔し清算したとされる負の記憶
ナチスの子供達は合法的に温存された...


犯罪は、
構成要件該当性
違法性阻却事由非該性
処罰該当性
なんかが在れば確実に刑罰に処せられる..訳ではない
公訴時効の壁が立ちはだかる。

60年代にナチス時代の辣腕検事であった法務省の高官が
ちょっとした法案を議会に提出し、すんなり通ってしまった。
法案の真の意図は語られないが、結果として多くのナチスの犯罪者は
時効に守られる事になる。
さすがに法治国家です。
ヒトラー政権を産んだのも当時の世界一の民主的なワイマール法制


本来はこの大企業トップは判決はどうあれ法廷で裁かれるべきだった。
いわゆる門前払いに絶望したゲストアルバイターは自力救済を余儀なくされ、
事情はともかく有罪以外あり得ない。


実話のようです
当時のドイツを震撼させた...と言われています。
なんか検察庁法改正問題と二重写しになるから、口の中が苦くなる。
ソクラテスの「悪法は法なりや?」が頭に浮かぶが、
法治国家においては法は法。
善悪は問わないから逆にタチが悪い。
剥き出しの暴力装置ならば、はなしは単純
政策には対策
非民主国家が羨ましい。





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