2020年6月12日金曜日

Luce......異形のMLB



ドラマだそうです。
便利な言葉ですが、意味合いが難しい。
演劇論としては、悲劇でも喜劇でもないもの...らしいが益々意味不明。
批評で糊口をぬぐうならば今少し具体的に語って欲しいなあ。

サスペンス(緊張感)
スリル(不安感)
ホラー(恐怖感)
ミステリー(謎解き)

喜劇や恋愛ごっこでない人間心理の葛藤はこれらに尽きる。
どれかひとつしかないというのも作品としての奥行きがない。
この戯曲を下敷きにした映画には...全てが含まれています。

中流セレブの若い夫婦はアフリカの凄惨な紛争地帯から
幼い男子を養子に迎えます。
過酷な体験をセラピーで「克服」したルース君は...
文武両道の優等生。
周囲と学校の期待を一身に背負い...最善は巨悪に似たりって言わなかったかしら


映画の惹句的には

誰からも愛され、称賛される少年は何者なのか。
完璧な優等生か、
それとも恐ろしい怪物なのか?


映画では解答は匂わせても語られない。
だからこの映画はドラマではない。
緊張感、不安感、解への謎解き...なんかを満載とする。
でも、アタシ的には、これは「ホラー映画」だ!


この辺りは新旧大統領の対談に任せよう...あくまで架空対談だし、
どの大統領とも言わない


白人以外のいわゆるアンクルトムの心の奥底はこんなんだ。
見かけの微笑に騙されるな!って言う良い映画だ

虐げられ歪曲した心理を救済するのが合衆国憲法の精神だ。
しかし、彼は病んでいるわけではない。
病んでいると誤解する白人こそが偏見に満ちている

アフリカンの子どもを養子に迎えて養育しようとする
白人の博愛精神は素晴らしい...病んでいると考えることが偏見だ
映画のつくりはどうみても、アンクルトムの欺瞞の演技に長けた
黒い怪物の真実を暴いている

白い怪物もいるし、黒い怪物もいるかも知れない。
高校の歴史の黒人女性教師は、肌の色に関わらず巨悪を
拭い去ろうとしたヒーローではないか

彼女は黒い独裁者を目指している危険な存在だ
従順なブラックの養成し支配する事を目論んでいるテロリストだ。

正義より家族を優先することがアメリカンの精神なのか
悪が巨悪になるかもしれないのに....


対談が噛み合いません
それほどに理解に困る...難解ではないのですが
余韻なり解釈の幅なりが深すぎる映画です。
批評家の評価は高いが、興行はあまりふるわない。
昨今のBLMで、再度火がつくと面白いが、全米で
空いているのはドライブインシアターだけらしい

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