2020年6月4日木曜日

名もなき物語あるいはキリスト降臨



美術品泥棒は知的だ...少なくともそう見えるが、
パレルモの教会の壁面絵画を盗もうなんて、センスが悪すぎるし、
なんと言ってもバチアタリ!
頭の良くないマフィアの仕業らしいのですが、こんな馬鹿でかい宗教画なんか
処分に困るだけ。
盗むのならばクルマのトランクサイズ以下の近代絵画

映画の鉄板素材のひとつだし、このジャンルにはハズレが少ない。
さらに鉄板素材なのは、バックステージもの。
ハズレた試しがない!
この二つの要素で映画をつくれば...かなり極上になること間違いなし!




カラヴァッジョは品行不良な天才。
教会の依頼であまたの宗教画を描いていますが、
不道徳の匂いやあまりに官能的なものでトラブルを結構起こしています。



宗教的な陶酔感は、アレのナニに勝るというか匹敵する。
だから、アレのナニは宗教の最大の敵であり、
禁欲を戒律に掲げる...のはじつによくわかる。
この「マグダラのマリアの法悦」が、反論を許さない証明です。



このカラヴァッジョの「キリストの降臨」の盗難は、
十大美術品盗難事件のひとつだそうです。
半世紀以上たち、行方は諸説芬々。
マフィアが司法取引の材料に内々差し出そうとした...なる
ウワサを元にしているのがこの映画

なかなか複雑な構造の映画であり、説明が難しい。
じゃなくて、説明はできますが、簡潔な説明が難しい。
長々と説明するのは馬鹿の証明だから、アタシはやらない。

シナリオのゴーストライティング
名画の盗難
マフィアの暗躍
エスピオナージュ
政治的陰謀
親娘の愛憎

なんかが虚実皮膜の間に...
早い話が、

実話らしいお話を映画に仕立て上げたその映画を
映画の主人公達が試写会で鑑賞している映画を
解除明けのアート系シアターで観ているのがアタシ



相当に複雑であることを一言で書けばこうなる

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