2014年7月22日火曜日

ただの俸給生活者でよかったと安堵した夜の事

俸給生活者はお気楽だとつくづく思った次第。
森下洋子さんだか草刈民代さんだかがいうように・・・・

一日サボったって、自分自身何も思わない。
二日サボっても、同僚はなにも言わない。
三日サボれば、さすがにお取引先が、文句を言うかも知れないが・・・


実のところ、バレーはみた事が無い。
毎度の台詞は「舞」だと約束事が分かるが「踊り」は表現の解釈が出来ないと言うのは表向き(笑)
欧米の一流どころだと、お値段も相当なレベルが本音。
かの「白鳥の湖」だと、その他大勢の白鳥が三十羽。
宮廷に候する男衆や女衆がざっと三十名内外
当然スペアもいるだろうし、裏方もいる。
楽器編成も、通常の弦五部と管楽器にこれでもかというくらいの打楽器陣、
ハープやクロッケンシュピールまで登場します。

遠路はるばるチャーター機を飛ばしてやってくる。
チケットは高くて当たり前。
日本の劇団でもいいのですが、やはり、体型、骨格・・・
平べったい顔相を、メイクで凹凸をつけても、失礼ながら限界がある。


毎度、パリオペラ座のライヴビューイングをご贔屓にしている。
オペラだけでなく、バレーにも挑戦ということで、いつものシネコンの
プレミアムスクリーン。
70席程度でゆったりとボックス席の味わい。
珍しくも満席に近いのは、演し物のポピュラーさもあるが、
エトワールのアニエス・ルテステェの最後の舞台だったよし。
生粋のパリジャン。
1997年、27歳の時からエトワールに君臨。
説によれば、177センチの体格。バレリーナの体重の上限は50キロらしいので、全身これバレーのための骨肉のみとおぼしきアスリートである。
確かに、日々弛まぬ努力で我が身を鍛えないと、サボリはすぐにパートナーや
観客にしれてしまう。
圧巻の三十二回のフェッテ!あのマジシャン猫のミストフェリーズだって、たったの二十五回程度。
げに恐ろしき職業である。
本当にただの俸給生活者でよかったなあ(笑)





しかし、舞台の良し悪しは、相方、それも悪役で決まる。
オデット姫に呪いをかけた悪魔・ロットバルトを演じるカールパケットの
凄みある金髪の輝く美貌。
ジークフリート王子を演じるエトワールのスペイン人なんか善良そうなハンサムであるがとても眼ではないし、そのスペイン人も
退団したらしいので、しばらくは、彼がエトワールに君臨する。
だから、顔が平べったいとやっぱりだめなんですよ(笑)

削げたような頬
くぼんだ妖しの青い眼
そびえる鼻梁
尖った耳

これこそ、デモーニッシュってものです。



お話は定番通り。
今回は、悲劇で終わるバージョンでしたが、
ロットバルトの凄味を強調したくなる舞台設計からすれば、けだし当然の選択。
そうそう、振付けは、定評のあるヌレエフバージョンでした。
バレーにも様々あるのでしょうが、白鳥の湖は様式美の極致。





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