2017年3月15日水曜日
果ては鴨川の鮒の餌
高野山金剛峰寺奥の院の杉木立の参道に並ぶ戦国時代の知名武将の墓石
なかなか壮観であり、歴史を感じるのはいいとしても、一体誰が墓掃除をやっているのだ?
聞いた話では、定期的にお掃除にこられるのは真田家の末裔くらいだとか。
仲見世のように並んでいますが、別に観光資源としてお寺さんが立てたものでもないし、
子孫にしてみれば、ありがたメイワクかも。
後世に名を残した以上、墓石や遺骨があろうとなかろうと・・・
遺髪なんかだと、DNA鑑定に使えますがねえ。
皇族や上流貴族は別にしても、一般人がお墓を立てるなんて、江戸時代のお寺ビジネスの始まりの一部かしら?
散骨や樹葬派が増えてきたとはいえ、未だに墓地希求派の勢力は衰えない。
偏差が激しいが、全国に墓地は未だ一万箇所。
墓守もいない荒地もあれば、有名どころだと競争率数十倍で墓所建設費はざっと数百万だとか・・・
戒名ともなれば院号居士だと軽く百万円は超えるらしい。
そこでお手軽にもマンション(有り体に言えばコインロッカー)タイプで都心立地で便利、しかも「永代供養」
一時金はこの程度で、毎月の回向料(要するに維持管理費)は◯◯円
地方寺院までも都会に出張ってきて、宗派を問わず受け入れます!
信じがたいが、都心だけでも四百棟位はあるそうな・・・・
霊園にせよ墓所マンションにせよ、お寺さんビジネスのひとつですが、彼らにはデベロッパー能力はない。
あるのは、名刹・古刹という看板だけ。
コンサルタント(どの世界にもいるんですなあ、こういう専門家)
GC(立体駐車場ビル建築能力程度で充分だし、多少荘厳なインテリアがあればいい)
販売代理店(仏壇や仏具屋さんが多いらしい)
が三位一体になって売り込みに来て、お寺が乗っかる仕組みらしい。
売りっぱなしではないかって危惧もある。
維持管理コストも結構かかりますが、毎月の回向料だけで賄えるのかしら?
当然維持管理会社に委託しないと、坊主だけじゃ墓守は無理だ・・・
墓園経営は宗教行為でないというのが裁判所の立場ですから、ガッチリと固定資産税はかかります。
マンション墓所って、法律上の権利関係はどうなってんでしょう?
区分所有権って事はまずない・・・と思います。
永代供養とうたう以上役務提供(請負契約かしら?)
それとも、永代供養の権利付の利用権(賃借権)ですかねえ。
契約書まで読んでませんからなんとも・・・
子孫の代になれば、回向料を払わなくなる可能性は非常に高いし、
次々と「テナントさん」が入ればいいが、維持管理が出来なくなれば確実に廃墟化する。
名実ともに「幽霊ビル」って洒落にもならない(笑)
人形供養で有名な某神社のように、邪魔になれば「テーマパークのお化け屋敷」に貸し出すのかねえ・・・
我が家は代々の夫婦墓であるが、墓所のスペースに限りがあり、複数箇所に墓所を求めたのが相当に昔。
罰当たりな当主は、墓整理に精を出すが、遅々として進まず・・・
なんせ、墓仕舞いって、女郎の足抜きより大変なんだから(笑)
確かに回向する墓の数や檀家の数がへれば、お寺経営はやっていけない。
比較的信心深い村人の多い界隈でも・・・
月参りは結構です(来るたびに回向料をお財布から出すのは負担が大きい)
お盆と彼岸だけで結構です派が、いまや太宗らしい。
法然上人(だと思いますが)のように「賀茂川の鮒の餌」にしろって遺命も、
弟子たちは、丁重に荼毘に付し、今の知恩院あたりに埋葬された。
千年の時を経ても祭祀する人がいればいいが、いないのが当たり前な現世。
遺命の通りの野辺送りが一番幸せかもしれない。
個人の死生観に関わる問題であり「であらねばならない」という気はさらさら無い。
個人墓所、先祖代々墓、共同供養塔、散骨・・・なんでもいいが、
今時の墓所ビジネスっていかがわしいそうってお話です。
死後も、観光と葬式だけに精を出す仏教界のお世話になりますか?と言われれば・・・・
現世で彷徨う暮石、位牌、遺骨・・・・笑い事ではないが、確実にそういうことになりそうだ。
後世自分の名がかすかでも残れば幸いだし、墓石だけが残ってもねえ。
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