2017年3月7日火曜日
汝窯青磁水仙盆は何に使ったのか?
この窯元の伝世品は数十点あまりしかない。
なかんずく、この水仙盆はたった六点。
千年にもわたり伝世している事自体が奇跡のようなものである。
当時の宮廷であるから、ガラスケースにいれて賞翫するような事はしない。
日用雑器のように使い倒したのでしょう。
この水仙盆であるが、盆栽の鉢にでも使ったような名称であるが別名もある。
猫食盆
盆栽の鉢に使ったというような文献はないが「ペットの餌入れ」だとはあちこちに書いてあるらしい。
確かに使い勝手からすれば、ペットの餌入れがフィットする(笑)
直径十数センチの楕円で、高さ数センチの四つ足盆
重さは600グラム強
世界中の水仙盆のうち、三点(今回来日しなかった吉林省保有分を含め)は
縁が欠損したのか、削り出してたかさを合わせ銅の覆輪を被せている。
ありていに言えば補修品。
安宅コレクション品も然りである。
最大サイズの一品は、骨折したらしく、足の部分の削り出しをやったもので
フォルムが多少宜しくない(見比べると寸足らずだ)
茶碗でも高台かあまりに薄いとなんか落ち着かないもんだ。
この餌入れだと、我が家の惰猫なら、猫またぎだなあ(笑)
結局のところ、二点しか残らないが、
小さなキズ
貫入の有無(趣味によるが無い方が良い)
色むら或いは使用劣化
明らかに差異...明白な優劣がある。
愛猫の好みに合わない餌入れだったから、未使用状態にちかいままだったのかなあ。
今回は吉林省保有品が来日しなかったから、清代の倣製品で数合わせを
やったようですが、まあ「揃い踏み」は無理でしょうなあ。
明らかな品位の差。
中華文明の精華を保有してこその権力の正統性。
経済力や軍事力だけを鼓舞してもダメなのよ(笑)
北京故宮は空洞といわれますが、けだし!
吉林省の博物館サイドは乗り気だったとおもわれますが、
中南海がストップをかけたに違いない。
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今回は毎度の駄弁よりも「映像」です。
展覧会場上映のフルバージョン(・・・のはずです。前回は短縮版)
じっくり見れば、それで満足っていうくらいの出来栄えのビデオですねえ(・・こんなに褒めることは珍しい)
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