2017年3月26日日曜日
荊の城のお嬢さん
以前はちょっと褒め過ぎた。
好きなエレメントが満載だと毎度の辛辣な批評が鈍る(笑)
オリジナルを読むんじゃなかった。
原作は良く出来たクライムミステリー。
オリジナルタイトルは「掏摸」
どうもなあ....詐欺なら分かるが、作者の意図が見えない。
舞台はビクトリア朝倫敦だが、日本統治下の朝鮮に置き換えている。
原作に忠実な映画化がすでにある以上しごく当然である。
登場人物は、お嬢さん、侍女、お嬢さんの伯父、詐欺師の伯爵と同じだが、
映画化の際にはいくつかの重要なエピソードをオミットしてしまう。
結果として説明的でなくなり意味不明な展開となってしまった。
代わりに官能性重視で、お嬢さんが紳士達の前で猥本を朗読するシーンが
強調された。
クライムやミステリーよりも淫靡さが大事だったか。
確かに大事だ(笑)
この映画で一番美しいシーン。
原作は三部構成。
主語は、I なのですが、お嬢さんの場合もあれば、侍女のこともある。
視座の複眼化が物語に膨らみをもたせるという初歩的技法ですが、
カットされた重要なモチーフからしても必然と思えるのがミソ。
原作を知らないと良い映画と思うが、知ってしまえば、
加工の仕方にオブジェクションが出そう・・・・が、倒錯だし、耽美だし、頽廃的で好きですねえ。
でもやっぱり、オリジナルのエンディングの方が素晴らしい。
ちなみに原作はブッカー賞候補作です。
おまけの映像。
誰もいないところで、赤面しながら(笑)
良い子は立ち入り禁止
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