2018年4月20日金曜日

特別「市長」



邦画の年間公開本数は、600本内外。
いくらプロ映画鑑賞家と言ってもカバーしきれない。
公開作品の一割強を知っていて、その一割くらいを観るのがやっと。

ITが映画製作参入のハードルを下げたのですが、量が質を規定したかどうかは
かくの有り様ですから、論評しません。
多少偏見をまじえて言えば、メジャー作品の大層は、
コミックか本屋大賞本、あるいは人気ミステリー作家本をオリジナルとする。
要するにお手軽なんです。

社会派
硬派
知性派

なんて映画ビジネスの世界ではお呼びではない。
つまり、興行リスクが高い....が、
政治リスクにも臆病になっている可能性が高い。
政官財の腐敗堕落不道徳性なんかを描かないのが、
暗黙の忖度ということ。

かつては、

悪い奴程よく眠る
誇り高き挑戦
金環蝕

娯楽的に仕立てはするが、映像のチカラによる鉄槌くらいの
気迫はあったものだが....
刺される方も度量があったのだ。
この程度で溜飲を下げてくれれば安いもの。
適度のガス抜きって効果的なのです。


翻ってお隣の半島国家
西洋の一部メディアでは、東アジアで民主主義が成功している
唯一の例だと賞賛する。
国民規模のデモで政権倒壊に至らしめた...らしいが、
魔女狩り政治がデモクラシーとは恐れ入る。
反対意見であっても、その圧殺に対してはカラダを張って抵抗するのが、
民権だとモンテスキューは喝破したのを忘れたか(^-^)


がしかし、韓国映画のレベルは....悪くない。
良質な一部が倭国で公開されているに過ぎない可能性もあるが、
だいたいは粒ぞろい。


ソウル市長選の暗闘劇
現職はポピュリズムの権化。
政治はイメージでショー。
対抗馬は、見たことありげな女性政治家と野暮ったい学者タイプ

選挙スタッフの買春
不正献金の暴露
候補者の泥酔ひき逃げ
家族の薬物容疑
側近の自殺疑惑

まあまあありげな醜聞があれもこれも
あまりに盛りだくさんなのが、東洋一番のデモクラシーということ。


しかしなあ、こんな作り話を殊更に映画館で見なくとも
倭国はお茶の間劇場で毎日たのしめます。
だから、映画人は素材の価値を認めないっていうのが正解かもしれない。

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