2018年4月9日月曜日
ハードでジェントル
原寮さんの作品の再読中なのですが、
思い立ち、唯一読んでいなかったらしいコレをリアル書店で...
誰の訳にするか思案する事しばし
チャンドラーの遺作
あまり人気はないが、この名台詞だけが有名です。
If I wasn't hard,
I wouldn't be alive.
If I couldn't ever be gentle,
I wouldn't deserve to be alive.
優しい単語しか出てきません。
男はタフでなければ...ナンチャラってのが有名な訳。
原作を読んだことがなくとも周知の一節
登場するある女性からの質問と回答。
これほど厳しい心を持った人が、
どうしてこれほど優しくなれるのかしら?
厳しい心を持たずに生きのびてはいけない。
優しくなれないようなら、生きるに値しない。
文法的に厳格に訳したと訳者はあとがきに書いてます。
ハードとタフはやはり違うし、
優しいの対句ならば厳しいの方が良い。
だから、回答のセリフの前に
馬鹿にするんじゃないよ
なんてアイドリングは当然有りません(^-^)
初版単行本の279ページくらいから次のページにかけての
シーン。
個人的な語感からすれば、タフだと物理的肉体的に頑丈だと感じます。
精神的にタフとは言いますが、肉体的にタフという言い方には齟齬がある。
ハードは、精神的に禁欲的な強さ...つまり自分に厳しいという印象。
だから、相手には優しいと対句的なのですよ。
流石に、翻訳家ハルキです!
しかし、プレイバックと言われても何が?
ちょっと考え込みますが、ロンググッバイに登場したヒロインのお姉さんのことかしら?
謎めいたエンディング。
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