イタリア語やイタリア文学がマイナーな事は今更。
外語大学をのぞけば、東京と京都に何故か京産大くらいしか学科がない。
しかし歴史的に豊穣であり、その系譜としての現代イタリア文学も
なかなかなものではないかと想像するし、
この世界、ウンベルトエーコだけの野中の一本杉なんかはあり得ない。
我々には紹介されない読むに耐えうる作品群があるはずだ。
カルロ・レーヴェ「キリストはエボリで止まった」...1945年刊行
トリノのブルジョワユダヤ人の出身
医師免許を持つ作家は珍しくない
医師であり政治を目指すこともままある。
しかし、作家にして画家はあまり聞かない。
つまり多彩な才能を持つ反ファシズム人である。
枢軸体制下に捕縛され、幸いなことに強制収容所ではなく
南イタリアの寒村に流刑となった。
神すらも見捨てた土地...なる表現が、この作品によるものかどうかは知らない。
イタリアの南北問題は知ってはいるが、
かくも..経済的にも精神的にも荒廃していたとまでは知らなかった。
彼には多くの著作があるが、邦訳はこれだけ。
訳者の技量もあるのだろうが、平明簡潔。
実に読みやすい。
因みに、フランチェスコ・ロージーが映画化を行なっています。
昔見たような記憶が...だから、岩波文庫で最近刊行されたこともあり
探し出してきたのだろう。
アマゾンプライムには有りませんが、
仮にあっても、劇場スクリーンで観たい映画です。
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