2020年8月5日水曜日

King's Ransom.....あるいは天国と地獄



今やミステリーの保守本流は、警察小説
本来クライムノベルですから、司法警察職員が活躍するのが当たり前。
しかしミステリーの歴史からすれば、50年代のエドマクベイン「87分署シリーズ」が
嚆矢らしい。
読んでいたから、かの「ランサムウェア」が話題になった際にも
淀みなく質問に答えられて面目をほどこした(^.^)
なお、キングは、富豪の暗喩ではなくて(実は暗喩かも知れないが)
身代金を要求されるのが、ダグラスキング氏だから


馬鹿な誘拐犯が他人の子供を誘拐する...って
ストーリーのキモは同じな映画化作品が、黒澤の「天国と地獄」
原作は59年刊行で60年には邦訳。
映画の封切りは63年...
実は三月一日公開で、その月末にあの「吉展ちゃん営利誘拐殺人事件」発生
犯人が触発された事は間違いなく...今ならば、公開断念。


製靴屋の経営権の争いを背景をするなり、誘拐されるのが運転手の子供...
原作のプロットをなぞりますが、
自動車電話が登場するところは..当時の倭国は無理。
今観れば結構乱雑な感じも持つ映画です。
当時の電電公社は頑なにで、通信の守秘義務を盾にとり
逆探知も録音にも非協力を貫いた...隔世の感がありますが、
いまでは当たり前のように行われています。
但し、受信者の同意が要件と言う建て付けになっているはずです。

モバイルフォンの位置情報だって早晩.....
今でも令状なり捜査の必要があれば、キャリアはビッグデータを
提供しています。

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