理科系ミステリー作家。
好きってほどの事はないが
白夜行
新参者 ....だけは名作だと思う。
タイトルロールの作品は、活字で読もうとは思わないが、アマゾンプライムサーフィンの途中で...捕まってしまった(苦笑)
幼い娘が事故で脳死状態となる。
死を受け入れられない夫婦は特殊な人工呼吸器システムでの「昏睡状態での生育」を行うが、異様な生の様相は周囲を不安定な状態に追い詰めていく....
原作はわかりませんが、大衆娯楽らしい映画のハッピーエンドは、、、安心はするがそれ以上のものはない、つまり単なる娯楽だし、考証も甘い。
アタシとして多少スリリングだったのは「刑法上の死の定義」に関わるシーンだけ。
人を殺して死にいたらしめば殺人罪
死の状態の人を毀損すれば死体損壊罪
死の状態でない人を傷つけても正当事由(外科手術を含む)があれば、傷害罪に問われない。
臓器移植の世界では「脳死」を死と定義します。
脳死の定義も色々あるようですが、臓器移植法では脳全体の不可逆的な機能喪失とされます。
しかし刑法の世界では伝統的に三徴候説...呼吸停止、心停止、瞳孔散大と言われますが、今時ですから人工呼吸器をつければ不可逆的喪失にはならないし、瞳孔散大は脳幹機能喪失と同じらしく、つまりは心停止が「死の定義」と、最高裁判例はありませんが、実務上はそう解釈されています。
社会的な合意形成のないシリアスで微妙な設例には立ち入りたくないのは誰しも同じ。
この映画では娘の死を受け入れたくない母親は、家族との対立から激昂し、百十番!
駆けつけた警官を前にして、包丁を娘に突きつけ
....今ここで娘を刺せば、アタシは殺人罪に問われるのですか!
問われないのですか?
制服警官も迷惑しますが、、、実際にそうなれば(殺人罪で起訴されれば)実に興味深い事になったのですがねえ。
アタシが代理人ならば...まずは心身喪失で責任能力なしで無罪主張って、あまりに当たり前かな(^.^)
あとは、殺意の存否とか、社会通念的にはすでに死体だとか、せいぜい戸籍法の届出違反に過ぎないとか.....
そもそも可罰性がなく、検察による起訴権濫用も言うかな
多分ですが、検察は起訴猶予にするかも
検察審査会への不起訴不当の審査申立も...ないはずだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿