2021年4月5日月曜日

アタシのお気に入り

 


昨今はミステリーとか、きどってクライムノベルとかなんとか...

しかし、この類いはいくら読んでも教養にはならない大衆娯楽。

だから、このジャンルの濫觴はアメリカンですが、ポーの創作した探偵はフランス人だし、作品(モルグ街の殺人とか)の全ての舞台はパリ。




近代的な警察組織はフランスに始まり、英国が追従した歴史のなせる技だと思いますから、小説のジャンルとして確立させたシャーロックホームズがロンドンを中心に活躍するのも必然な訳です。




これらの初期黄金時代に確立した構造化されたフレームは、長く「探偵」小説の首輪となってしまった。


主人公はプロの司法職員ではない民間人。

今時は捜査の法的権限のない者が捜査に関わるなんて極めて例外的です。

狂言回しのような同伴者の存在。

多くは民間人であるが、司法職員が務める場合もあるが、まあ名コンビ。世にいうボケとツッコミのようなもの。

基本はオトコの世界。オンナは被害者や依頼人として登場するだけ。コンビの片われがオンナだったり、加害者になるのは、後年の事。それを思えば、ミスマーブルの登場なんて、クリスティでもなければ思いもよらなかっただろう。


大陸型の「御約束事」をちゃぶ台返しをしたのが、アメリカンです。

ハードボイルド系ともなれば、オンナが犯罪を犯すのは当たり前。

主人公のパートナー(セクレタリー)がセクシーなオンナに変わるのもまた当たり前。





ここいら辺りの新旧のパターンを一気に呑み込んだのがジャパンミステリーの世界。

しかし、新たな地平を開拓したものでもない。

基本は警察小説だし、キャラクターが複雑になったのもその専門性が多岐多様になったのも世界の潮流と同じ


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