万葉集の時代はさておき、恋は秘めたるに如かず。
開けっ広げに「うちなあ....アンタすっきゃねん!」なんと告白するものではない。
燻される煙の如くジリジリしたその煙が実に素晴らしいのです。
周防内侍の絶唱
恋ひわびて ながむる空の浮雲や
わが下燃えの けぶりなるらむ(金葉和歌集)
やつれるほどの恋の果て、天空の一片の雲は我が想いの煙にほかならぬ...なんてみのらぬ恋の末路にふさわしい。
結果、彼女は「下燃えの内侍」の雅称で歴史に残る。
百人一首にも
かいなくたたん名こそおしけれ...なる機知あふれる歌有りますが、こんな戯れ歌よりもはるかに胸かきむしるって思うのよ。
最近知ったのだが「下燃えの少将」なる雅称の持ち主がいたらしい。
こんな紛らわしい雅称がなくとも歴史の残る二番手グループの名歌人である俊成卿女
祖父(俊成)同様に長寿でした。
下燃えに
思ひ消えなむけぶりだに
あとなき雲の はてぞ悲しき
霧たち登る...あまりに秀句表現なため禁句の扱い。
だから類句がない。
幸いにして「下燃え」はそうならなかったが、、、
さて歌合せをすればどっちが勝つかな?
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