2015年3月4日水曜日
子供だましの戯言なる「ガリバーの大冒険」
三大子供向きの絵入り活劇小説といえば・・・
宝島
カリバー
・・・あとは忘れました(苦笑)
しかし、大人目線で見れば、結構含蓄が深く、真っ当な形で読み返す価値ありって思うのですが
そういう奇特な方は少ない。
ガリバー医師(最後は船長になります)の冒険譚ですが、
作者のスフィフトは、ある種の政治批判・社会風刺プロバガンダとして、
とりわけ荒唐無稽なスタイルで書き上げた。
残念ながら、英国の18世紀当時の情勢に詳しくない倭人には、
洒落が理解できないので面白みがわからない。
その政治批判性がどこまで効果があったのかは分かりませんが、
不朽の古典として歴史に残ったのは慶賀のいたりだし、当時の読者にとって
ニヤリって思う部分が多々あったのでしょう。
小人国
巨人国
空飛ぶラピュタ国
魔法使いのグラブダブドリッブ国
不死人間のラグナグ国
馬人間のフウイヌム国
実のところ、最初の二つくらいが有名で、あとはあまり話題にならない。
ラピュタは、ジブリアニメ・・・って思いたいが、単に「空飛ぶ島」ってモチーフを
借りてきただけである。
出色なのは・・・最後の二つ。
WEBをそのまま引用しますが・・・・
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ラグナグ王国に着いたガリヴァーは「不死人間」の噂を聞く。
自分がストラルドブラグであったならいかに輝かしい人生を送れるであろうかと夢想する。
が、「不死ではあるが不老ではない」ため老衰から逃れることはできず、
80歳で法的に死者とされてしまい、
以後どこまでも老いさらばえたまま世間から厄介者扱いされている悲惨な境涯を知らさる・・・・
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18世紀の英国よりも21世紀の倭国にふさわしいエピソード(苦笑)
最後のフウイヌム国は、高貴な馬人間とヒトザルに紛うような野蛮なヤフー人が登場する。
ヤフー人であるよりも馬人間でありたいと希求するカリバー医師は相当に絶望的。
酩酊性のある植物の根による中毒症状
絶え間なく争い、無益な輝く石を切に渇望
特に理由も無い同種族での闘争
というような「ヤフーの習性」って、これまた21世紀のヒトザル全般に似ている。
多分、山口雅也は、最後にインスパイヤーされて、オマージュとして上梓したのだ。
狩場最悪の航海記
狩場=カリバーってダジャレはさておき、
実は、原作でも、カリバーは、日本に立ち寄ったことになっています。
時代は綱吉の頃だと推定されます。
つまり「人間よりもお犬様が大事される時代」ってことで、
風刺として一番面白い時代という設定。
もっとも、お話の展開は、暇つぶしでも読もうってレベルじゃない(少なくとも琴線には触れない)
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