2015年3月15日日曜日
初心に帰ってください
サタジット・レイの「大地の歌」を始めて見た際に・・・
さすがにゼロを「発見」した思弁性の高い印度国の作る映画はちがうなあ・・・ってお馬鹿にも感動し、
その後インド映画とは「美男美女が歌って踊ってハッピーエンド活劇」が主流だと知って愕然としたものだ。
世界第二の経済大国の映画事情は・・・よくわかりません。
都市部の映画事情と農村部の事情があまりに異なり、鳥瞰的に語ることが難しい。
一般的に言えば映画とは「都市部のエリート(三億人程度)の娯楽」
年間400本程度製作され(政府公認脚本だけ)4000弱のスクリーンがある。
入場料が70元といいますから・・・
中国の「富裕層」の年収が5ないし10万元とすれば結構高価です。
一方で、農村部にはその十倍のスクリーンがあるとされますが、
移動式の小屋かけ上映のようです。
そういえば、ご幼少のみぎり身共の超ど田舎でも、不定期的にお寺の庫裏の庭先での上映会があったものです。
雨が降れば・・・中止(泣)
さて、厳しい国家統制で縛られた中国映画ですので、反骨的・反体制的映画なんかは期待すべくもない。
反日抗日映画
武侠映画(三国志演義とか・・)
傷跡映画(文革背景下舞台)
海外や倭国で上映される以上、マーケットに受ける映画しか輸入されない。
従って、文化革命期での悲劇なんて一番俗受けしやすいが・・・別にそんな自虐的な映画ばかり
作っているわけでもなかろう。
張芸謀
人民芸術英雄ともいうべき映画界の巨匠
北京オリンピックの式典プロジューサーにまで上り詰めました。
一人っ子政策に反して、お子様が三人もいるということで、一億円以上の「罰金」を
課せられたそうですので、結構蓄財もお盛んのようです。
文革で十年余りの下放の憂き目をみたあと、衝撃作で鮮烈デビュー!!
世界的に名声をはせた後は、コスニュームプレー的な歴史大作を手がけるようになり、
はっきり言えば・・・映画人として堕落(良く言えば円熟の境地)
オリンピックの式典にしても、やらせ・捏造・・・名声に傷がつきますなあ(苦笑)
名望が地に堕ちた・・・彼の新作が、ひっそりと単館ロードショー中。
昔取った杵柄ってたいしたものです。
賞味期限切れと思われているのでしょうが、腕は衰えていない。
期待したような予定調和的結末でもなく、
なんちゃって「シラノの代筆恋文」的な展開のヒネリがよく効いている。
ヒロイン(記憶喪失な妻)のコン・リーは老けましたねえ
一人娘(天才バレリーナであるが、父の罪業で挫折)の役者さんがなかなかいい。
なんちゃって、主人公の元教授の抑えた演技が小品ですが、奥行きの確かさを感じさせます。
こんだけの力があるんだから、海外脱出して好きに映画を作ればって・・・思ったりもします。
余計なことですが、一人娘が狙うのがあの文革バレー劇「紅色娘子軍」の主人公役
文革礼賛時代の日本でも上演されたと記憶してますが、翌日の演劇評では「大絶賛の嵐」
ひとり石原慎太郎氏だけが罵倒罵声のコメントを出していたのが印象的だった(笑)
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