2015年3月2日月曜日

柳だって雪折れします。



傑作「アメリカンスパイナー」を鑑賞しながら考えた。
これは戦争映画ではなく、戦後映画である。
PTSDがここまで社会病理となる背景が深刻である。
古代や中世だって戦争PTSDはあったようにおもえるのですが、悲しいかな浅学菲才につき知り得ていない。
一般的には第一次大戦の塹壕戦の恐怖体験が発端らしい。
しかし、軍の主流的見方は「臆病症」。
まともに受け止められだしたのは、ベトナム戦争の時。
戦闘の恐怖体験もさることながら「戦う事の大義への疑問」が主因とされる。
もっとも、戦争体験者の一部の病理であり、個人の性格差にもよるのだろう。

 
しかしである。
主人公は、羊や狼でなく、番犬である事を志したテキサスマッチョ。
国家護持の志願兵。
ミッションは、狙撃兵。
PTSDには縁遠いはずなのですが・・・・・
 

ここで信じがたい「事実」を・・・
ドローン(無人機)のオペレーターにPTSDが激増だとか?!
そんな馬鹿なと言いたい。
長期に故郷と家族と離れた危険な異国に出向くことなくエアコンの効いた屋内で「爆撃」ができるのです。
在宅勤務だって不可能じゃない。
 


長閑な昼下がり
裏庭の洗濯物干しの向こうから、野球だろうか、近所の子供達の歓声
リビングからは、二人の子供の言い争う声
おもちゃの取り合いだろうか・・(笑)
妻は、キッチンでアップルパイでも焼いているのか、甘酸っぱい匂いがする。
屈強な夫は、厳重にプロテクトされたPCにログイン
中近東の基地にある無人爆撃機を出撃させる
ISISの蛮人どもを殲滅してやる!!

ミッションは成功
一息ついた頃に、妻の声・・・・「あなたってばあ。お茶にしませんかあ」


ノーマンロックウェルの絵の風景に似てますが
実はデヴィド・リンチ風なシュールな世界
やはり、日常的なようで非日常的な世界には、PTSDがはびこるのか?


不義な正義よりも正義な戦争の方がまし・・・って思ってますが、いささか信任が揺らぐなあ(苦笑)











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