2019年5月5日日曜日

バーレスク...あるいは空中権売買



十年ばかり前にこんな映画があったことは知っている。
シェールが出演している事も知っていた。
何故かSF映画系だと思い込み...シェールのテイストじゃない。
なもんで忘れていたが、場末の小屋にかかったもんだから。

ショービジネスの映画です。
アイダホから歌手を夢見て、やっとこさクラブの職にありついた。
ウンと実力、更にはヒキでステップアップしてゆく。
お店の名前は、バーレスク
東京や大阪にはありますが、本場のLAにはなさげ。
バーレスクとは、ショーの形式を表す用語のようですが、
有り体に言えば、ストリップショー。
但し、まともなダンスや歌もありますから、下品だけを売り物にする
ポールダンスよりは高尚みたい。
パリのナイトクラブと同じようなもの...みたいだが、
実際に見たわけではないからよく解らない。

店のオーナーがシェール
借金に苦しみ、命より大事な店を手放さなければならなくなる。
アイダホから出て来た主役は、クリスティーナ・アギレラ
あまりポップスには詳しくないが、偉大な百人のシンガーのひとり
確かに、この映画ではアメイジングだ。

バーレスクの立地場所はよくわかりませんが、
東側にサンセットビューを売り物にするマンションが建設中。
このバーレスクを買いたがっているのは別の不動産屋。
高層ショッピングモール建設を目論んでいる。
仮にそうなれば、マンション建設業者は大打撃...
ここで、アギレラの奇策が大成功する。


不動産業の世界で空中権なる物権がある。
土地の所有権は社会通念と法令の範囲内でその権利は
地下や空中にも及ぶので、その権利だけを
売買することは可能である。
例えば、お隣の敷地の空中権を買っておけば、
高層マンションが建つ懸念は無くなるし、売る気も高層化の
計画もないなら、隣人は売り飛ばしてもなんら支障はない。
お金になるし、お天道様のめぐみは変わらない。
更に、地役権ではなくて都会ならば容積率の売買も出来る。
NYのティファニーは怒鳴る度に9階以上の容積率を売ったはず。
あのトランプタワーからのセントラルパークの眺望はこの空中権が担保しているのだ。

シェールが、なんの権利を譲渡したのかは、映画の上では
解らない。
しかし、負債は完済し、ショーは千客万来。
従業員達の結束も高まり...気持ちのいいハッピーエンド❣️

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