2020年5月11日月曜日

翻訳産業



さしたる根拠がある訳ではないが「翻訳」のマーケットサイズは
数千億円規模
国民的に語学が不得手な癖に外来文化が大好きな所以である。
歴史的に何度かの爆発的翻訳運動が発生しているが、
その掉尾の一振が明治の初め
西洋の森羅万象な文献を片っ端から翻訳、
概念語については千年にわたり慣れ親しんだ漢籍の語彙と
表意文字たる漢字の利点を駆使した倭語化
如何に素晴らしいかは、本家の中華、その亜流のコリアンでも
未だに使用されている。
学恩を被りながら
倭文化排斥なんてこぶしを振りかざす夜郎自大さよ!


しかし、ツボにはまった訳語もあれば、
長らく不承不承使っているから不適ながら慣性の法則。
例えば....

貸方借方
英語だと、Debit and Credit
財務諸表ではさすがに「資産の部、負債・資本の部」と
表記される。
簿記の勉強を始めて、対比表の左側が借方、右側が貸方だって
直ぐに得心する学徒にお目にかかったためしがない。
理性的に知識の大伽藍をつくるあげるような学徒には
耐えがたい概念用語。
明治の先人とは言え、漢語能力に難点のある偉人もいた訳で
百年以上若者を苦しめてきた。

簿記の先生も過去そうだったらしく、
優れて非論理的に教えてくれます。
例えば...

か「り」かたは、左にはねますよね。
逆にか「し」かたは、右にはねるでしょう
英語だと、debit and credit ですから、
デヴィ夫人おクレ!って語呂合わせ!で覚えましょうね

あまりの馬鹿馬鹿しさに...馬鹿馬鹿しすぎて未だに忘れない。



最近知ったのだが...知ったから駄日記のネタになったのですから
これも学恩かしら?
借方貸方の訳語は福沢諭吉先生だとのこと
失礼ながら、彼の漢語力ならばあり得る話だ。
無理に漢字翻訳する必要もなかったのですよ。

例えば...
理学士の水島寒月君の有名な論文

団栗のスタビリチーを論じて併せて天体の運行に及ぶ

安定なんて翻訳語を当てずに英語のカタカナ表記のままです。
さすがに漱石先生は学識が高い。
昨今の霞ヶ関の小役人は、やたらと外来語を
そのまま使用したがる。
漢字力の欠如の現れだが、無理に漢字化されると
更に意味不明になるから、それよりはマシと言うことです。

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