2020年5月8日金曜日

左ヒラメに右カレイ




フランス国王ルイ14世の宮廷で極めて評判が高かった舌平目は、
フランス料理で最も調理される機会が多い「高貴な」魚の一つです。
「ムニエル」という料理名は、小麦粉を作る職人「ムニエ」に由来します。
舌平目を塩胡椒で下味をつけて小麦粉をまぶし、バターで焼くことから、
この名前がつきました。

....とまあフランス大使館のウェブサイトには書いてます(多少加筆)
舌平目が「高貴な魚」とは初見だが、おさかなの女王ならば、
他にも候補は山とある。
しかし、代表的なフレンチの魚料理だと言うこと。





俳句の季語の世界には「副題」...つまり、サブタイトルとも言うべき
珍妙なものがある。
通常は、書籍や論文の表題の脇に添え、内容理解の助けにするものだが、
季語の世界はどちらと言えば、俳諧なる小宇宙を深遠広大に
見せかける小道具に使われる。

舌平目は夏の季語だが、副題は「牛の舌」
高貴な魚料理素材が時空を超えて仙台の焼き肉に変異するさま
してやったり!なんて俳人の得意顔(^.^)

しかし、舌平目、ヒラメ、カレイは似て非なるが同じ仲間。
分類的には牛の舌科に属し、ヒラメのように片面左にお目々があるから、
舌平目と俗称されるようであり、むしろこちらが副題

身が柔らかくて美味で食用として広く使われるが、
さしみには向かない。
それじゃ「高貴」とは言い難い。

仙台名物の牛タンだって、元来は占領軍御用達の牛食材の廃材の
転活用。
だから、紛らわしいが輸入肉が本流だし、
なんでも国産食材が良いとは限らない。


折角だから、宗匠の腰折れ俳句

うしのした
ヒラメのしたに
くつのそこ

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