2020年5月16日土曜日

昭和史のB面(3)....愛染かつら






昭和11年の226
軍人統治の戦時体制の出発点とされるが、一夜にして世相が
変わった訳でもない。
翌年には文化勲章が制定され、戦前昭和文学の頂点がこのころ
その一角に全国民の紅涙を絞る一大メロドラマ...愛染かつら

12年からの連載小説で更に翌年に映画化。
その後も二度ばかり映画化

田中絹代
京マチ子
岡田茉莉子

どれもこれも観てませんし、ストーリーも定番のすれ違い劇
程度の知識にあの名曲「旅の夜風」の旋律だけは耳から離れない
イメージとして、田中絹代は解るが、あとの大女優はなあ...
健気に生きるシングルマザーにしては貫禄がありすぎる


改めて原作ストーリーを拾い読むに...これは実に凄い!
あの時代には稀なシングルマザーの苦難遍歴が新機軸ですが、
やはり、時局に阿った展開となっています。
リメイク版ではその辺りは情け容赦なく改竄しているようです。

ヒロインはシングルマザーの看護師
姉に子供を預けて、独身という触れ込みで個人経営の大病院に就職。
既婚や子持ちは採用しないブラックホスピタル
忘年会の余興でヒロインは御曹司の医師のピアノ伴奏で美声を披露
これを機に二人の恋は...
それからはお決まりの紆余曲折
病院を不当解雇されたヒロインは白衣の天使スタイルの歌手に転進
御曹司は赤紙が来て、軍医として中国へ出征
時すぎ月日が流れて
慰問団に同行したヒロインはそこで御曹司と劇的再開!

枠組のつくりからして、当時としては斬新だし、
よく出来てます。
実はテレビ版はひろい見した記憶があるのですが、
ヒロインの高石かつえを長内美那子...あのソープオペラの女王が
演じてました。


あの名台詞...

花も嵐も踏み越えて
征くがおとこの生きる道...

なんてなのも、みようによっては

ススメススメ ヘイタイススメ と思えなくもない

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