2016年2月3日水曜日

恋は不思議ね


ねっとりとした真夏の夜
微かな灯籠提灯を先触れに、駒下駄の音
カランコロンと

露でございます
新三郎さまはおいででしょうか?


言わずと知れた「怪談牡丹灯籠」
生き人に恋した死霊
死霊と知らずに愛してしまった生き人
真実を知れば、それは不幸の始まり。

思えばこの物語は奇妙なしつらえである。
死霊には足がないのは応挙以来の定番
そもそも、逢い引きは、オトコが忍んでゆくもので、オンナが訪ねてはこない。
だから「妻問婚」という。
中国原典を安直に和風化しただけですが、
恋物語だけならひねりようがないのでお得意の因果話も交え・・・


かたや・・・「アンジェリカの微笑み」


最高齢であったことが尊敬の背景ではない。
芸術に年齢は関係がない。百歳を超えての監督作品。
この歳でもみずみずしく映画が作れるのだ。


若くして亡くなった女性に恋する写真家。
デスマスク写真撮影中に写真家に微笑むアンジェリカ
牡丹灯籠に比定する批評家がおおいのですが、それは違うだろう。
恋を成就させるため生を投げ打つ写真家と、
恋人が死霊と知ったもんで護法の札でファイヤーウォールを張るが、
あえなくブレイクされ、あの世に連れ去られる新三郎では、ピュアの度合いが違う。


でも、こっちのみずみずしさがいい(笑)
いくら若くて美人でも、生きている方がいい。


注記:ここに「ブロンド少女は過激に美しく」の予告編を入れるつもりが、まったく動画が見当たらない(ペコリ)










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