2016年2月29日月曜日

放射能汚染よりも怖い・・かも





なにが怖いって・・・饅頭に決まっていませんが、
明らかな「怖さ」を売り物になんかされると、予断をもって対峙しようって気になるから
そう怖いものではない。
予断をもって対峙するとは「戦い、自分が生き延びることである」

ドラキュラ
フランケンシュタイン
ゾンビ
狼男
悪魔

多くは、ヒトザル(西洋人)が進化論的な優位性を発揮し苦闘の末に勝ちます。
畏れや慎み・清めという東洋的(倭人)な概念が入り込む余地はない。
そもそも、偶発的に襲われるのであり、そこには条理はない。
理不尽な災厄にはただ立ち向かうという・・・当然論理的にそうなる。


対極にあるのがジャパニーズホラー。
古典的な因果を尽くした怪談噺とは一線を画す。

日常感にうごめく目に見えずなんだか訳の分からない「モノ」の怖さ
相手がわからない以上対峙のしようがない。
翻弄され、ただただ取り憑かれていく・・・・

理性的で論理的っていいながらも、かような超常的なものに憑かれるんですよねえ
心霊スポットだとパワースポットなんて未だに大人気
そこには「長い歴史性のある祟りや穢れ」が潜んでいる。


映画「残穢(ざんえ)」・・・タイトルからしても怖そうです(そこそこ未だに上映中)


見ながらなんとはなしに別のことを考えています。
土地建物取引における「重要事項説明」
業法の条文を読む限り、その物件で自殺があったとか土葬の跡地だとかを説明する義務はない(35条)
明示的な表記がないということですが、47条の拡大(?)解釈で
様々なアクシデントの存否について慣習的に説明する義務があるとされているようです。
それをいつまで遡及するのかって明確な基準は曖昧ですが、判例なんかだと数年間程度と思われます。
従って、自殺物件を1年間程度廉価で第三者に貸し与え「ロンダリング」するというのは脱法行為です。


この映画は、過去からのおどろおどろしい事件や事故が積み重なり、その穢れが取り憑き、
あまつさえ(穢れの特性としてですが)伝播するという怖い話です。
しかし、そんなことを言い出すと、江戸の下町なんか、大震災に大空襲。
恨みをもって惨死した方々はあまた数多。
とてもヒトザルの住める場所ではないということになるが、
皆さん機嫌よくかどうか知らないが日常生活を送っている。

今ボクの住んでいる下町の安アパートですが、特段の「重要事項説明」はなかった。
前住者は結構長く住んでいたらしいので、少なくとも十年間程度はその部屋でアクシデントは
起きていないと推定されます。

奇妙な物音
奇怪な幻視・・・ なんかと無縁で毎晩よく寝れています(笑)


もっとも、好んで穢れ・祟りの有りげな場所の散策に行きますから、これからは清めの塩なんぞを・・・
でも、仏教では、いかなる形であれ「死」は穢れでもなんでもなく、
輪廻のサイクルのひとつのステップに過ぎないと考えます。
しかし、神道は逆に考えますから、神仏の硲で揺れ動く倭人にとっては悩ましい。
みんなが仏教徒のように考えるのであれば、この映画はあれほどもヒットしない。

主人公は、アパートの中で幻聴を聞く。幻視も見る。
その部屋で変死があったわけではない。
他の部屋でも異変が起きている。
建物ではなく土地の「穢れ」だと想像し、土地台帳を過去に遡り調べると・・・
なんとまあ・・・・あとはネタバレだ(笑)

ちなみに「穢れ」は伝播しますから、その土地を離れても追っかけてきます。
誰でも追いかけるわけではなく・・・ここんところがご都合的です。




















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