2016年2月21日日曜日
実は「キラネ」は教養なのです。
先日ブログの続編です。
浜木綿子
香川照之さんのお母さんのお名前(多分芸名)です。
知らない御仁もおいでになるだろうから、正しく読めない懸念があります。
・ハマキタワコ
・ハマモメンコ
言わずともどちらも「間違い」ですが(笑)
キラネの体系図に照らせば「漢字イメージあるいは熟字訓」の採用ということになります。
言わずもがなですが「木綿」とは、ゆふ(ゆう)のことです。
楮の木の皮を原料とする繊維であり、
古代では、アパレル素材は絹あるいは麻が主流なんですが、
様々な植物が糸・布の原料として利用されたのである。
楮もその一つで、理由は判然としませんが「ゆふ」に「木綿」という漢字が当てられた。
倭国で綿布(いわゆるコットン)が一般化するのは実に江戸時代以降である。
従い、後世になって、木綿に「このゆふの当て字」をつかい「モメン」と読むようになった。
古典的には発音も字面も美しいが、グーグル辞書ですら「ゆう」や「ゆふ」では候補字に出てこない。
しかし、「ゆうこ」だとなんとか登場します。
いずれにせよ、MS辞書ではかすりもしません
もういっちょ(こちらは今風の例)
椿姫彩菜
浜木綿子さんもそうなですが、どこまでが苗字なのか戸惑わしむるところからして、よく出来た芸名です(苦笑)
傾向的な教養を売り物にする蝸牛庵なる御仁は「ツバキ キサナ」だと思っていたようだ。
苗字が「椿」というのは結構事例があります。
かつての巨人軍に「椿林太郎」という秘球を操るピッチャーがいました。
実のところ「椿姫」が苗字だとか・・・・「ツバキ」と読ませる。
従って名前部分は「彩菜」
ひねりもなく「アヤナ」と読むらしい。キラネでも何でもない
ご当人によれば「椿姫」のファンらしい。
音読みや訓読みの一部切り取り手法あるいは置き字の手法を使ったようです。
芸名とはいえ、苗字部分にキラネは珍しい
ご当人は外見上は美しい女性のようですが、道に外れた高級娼婦が大好きなんて嗜好から苗字を決めたと
言っていますが、なんだか自己投影のような・・・
しかし、美しい字面を使い、許容可能なキラネ手法を駆使し、
さすがに名門男子高校から青学仏文学士っていささか感心します。
繰り返しますが、キラネが揶揄非難されるのは、豊穣な漢字文化の伝統への無知無理解に起因し、
ちゃんとした漢字教育を受けてこなったことの不幸
あるいは自己学習する研鑽への怠惰という根本原因を露呈させている。
漢字制限には、反対だし、難しい漢字のヨミにはルビをふればいい。
つまらない制約が、愚劣な現実を生んでいる。
実のところ、戦後マナシに当用漢字ということで極端に少ない漢字しか使用できない(命名を含む)って戸籍法に明記され
非難轟々となった。
流石にこれは酷いということで51年に「晃 宏 彦 弘 敦 晋 浩 稔 ・・・・・・」なんて当たり前の漢字を追加することになった。
ちょっと時期がずれれば、ボクって名前が変わっている可能性があったのです(汗)
その後、常用漢字という制度になり「使用制限ではなく使用の目安」となったが、
変な自己規制が岩盤のように役所やメディアにはびこる。
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