2018年7月22日日曜日

かちがらす



パンダ模様の鴉とは珍奇と思ったが、鵲の倭名らしい。
朝鮮では国鳥扱いらしいが、佐賀の県鳥でもある。
非常に頭のいい鳥だそうです。

縁も所縁もない僻地県だが、焼き物は素晴らしい。
もっとも、伊万里や有田はお好みではない。
葉隠は...読み方が皮相だからか、そんな生き方もあるだろうが、
理や知が先立つものですから、受け入れがたい。
薩長土肥というものの、幕末史における鍋島藩の存在感は希薄だし、
維新政府においても然り。
佐賀の乱で、徒党は瓦解しあるいは在野となり、誰もいなくなった。




かちがらす


鍋島閑叟の伝記小説である。
鷗外の渋江抽斎のレベルまでは期待はしなかったが、
史伝的な堅牢さにも小説的なエンタメ性にもかける。
地元では、閑叟がセンターのはじめての小説だし、大偉人ですから、
それなりに読まれはするだろうが、せっかくの素材なのに
勿体ないはなしではある。

幕末期の大名の中で希少種のような名君
藩士をテロルに暴発させず、中立武装国家を作り上げて
第三極としての不気味な存在感をあらわにした。
けだし、佐賀の妖怪と言われるだけのことはあります。

閑叟は、明治四年に逝去
あと三年元気で居てくれたら、征韓論の行方が変わっていただろうことは
確かだとおもうし、佐賀の乱だって....

0 件のコメント:

コメントを投稿