2018年7月2日月曜日

足はなくとも下駄の音



因果応報と言えば湿度高めな感じがする。
中華的な表現だと...人間万事塞翁が馬
怪力乱神を好まないとされるチャイニーズらしいが、
怪異譚の説話を持たない民族があろうはずがない。
怖いもの見たさはヒトザルの本性
しかしながら、しつらえ方に差異がでるのは当たり前だ。


怪談牡丹灯籠


原作は明代の説話集に由来し、明治の名人噺家円朝師匠の
作品である。
実際のところ、幽霊のお露さんに浪人新三郎が取り憑かれる
処は怪談噺だが、
糾える禍福のように因果がめぐるおはなしの部分には
怪異性は乏しい。
新三郎が天涯孤独の設定だから、相関図の中心部に
なり得ないが、主人公というまずい設定。
オリジナルは幽霊話だけだったが、因果話の枝葉をつけすぎたのだ。
それを思えば、同じ円朝師匠の真景累ヶ淵の出来栄えは実に素晴らしい。


流し目に狂気の宿る白石加代子さんの百物語の
アンコール公演
梅雨の最中に涼を求めてなのか....補助席まででる活況
加代子さんの一人語り芝居
あまり客筋はよくなくて、右のオッチャンは原作の粗筋に無知のようで
話の展開について行けない。
単なる幽霊話だと思っていたのだろう。
左のおばちゃんは生来のファンなのはいいけど、
加代子さんの語りにいちいち相づちを打つ。

なんや、知らなんだわ
そんなこともあったんやなあ
ほんまに半端ないわ

無知さらけ出すなら人様の居ないところでやってよねえ


三大怪談噺と言われるが、怖さにかけてはお岩さんには
叶わない。
あと一つは...なんだろう?良く知りませんから話は飛ばして^_^
怪談噺というよりも因果人情話。
改めて原作に目を通したが...これがハッピーエンドだとは!


日本の幽霊には足がない。
理由は知りませんが、円山応挙の幽霊画を嚆矢に
そういう約束事になっている。
カランコロンと下駄の音を立ててお露さんが忍んでくる不可解さ
原作では....やはり幽霊には腰から下がないと円朝師匠は書いてます。
しかしカランコロンと下駄の音。
なんともこのあたりが一番不思議的に怖い。



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