2018年7月9日月曜日

軍娼あるいは軍中楽園



台湾映画が好きです。
多少面はゆいいい方ですが、キヨキヨしくてピュアなのです。
過去の日本の古風景めいたものに心安らぐ。
と同時に、心理の機微も時代感、生きる事の様までちゃんと描きます。
アジア系の良質な映像藝術に共通する初々しい大人感覚。
残念ながら倭製映画では最近はとんとお目にかかることは無い。

時代は五十年代始め
場所は台灣金門島
冷戦の最前線にある軍直営従軍慰安婦施設

特段、軍隊と性や強制連行とやらに興味を持つ映画ではない。
何処にでもあるヒトザルが生きていく上での取り返しのつかない紆余曲折が
いくつかのエピソードを折り重ねて描かれる。
台灣映画が避けて通れない本省人と外省人の葛藤も
重くもさりげなく....




挿入歌は耳の記憶に間違いがなければこれです。
54年の映画ですから時代的にはフィットするし、内容的にも。

金槌の為、精鋭部隊から軍娼管理に左遷された主人公の上司は
馴染みの娼婦と所帯を持ち餃子屋を開業

主人公の同期兵は苛めに耐えかね、馴染みの娼婦と
泳いで大陸へ(たった二キロあまり)天安門の前で二人にっこり

刑期を短縮するために娼婦稼業を務めるオンナは
晴れて恩赦で家族三人幸せに...


いずれも帰らざる川に帰れたらって夢想の世界の出来事。
現実は悲劇であることは容易に想像できる。
エンディングのかくありせば...ってシーンに涙腺はゆるむ。

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