2019年8月28日水曜日

カルメン2018ー2019


最初、あれって!思いましたが、リハーサル映像でした。
本番は遥かに素晴らしい。
ミーハーなもんで、通俗下品なオペラは見逃してはならじ


その前にメリメの原作に眼を通しました。
目から鱗だなあ...
作者のメリメは、ナポレオン三世の側近なんだって
つまり、フランスの高級官僚
ヒロインのカルメンはジプシー(と言うと差別らしいので、放浪のロマ人。原作にはボヘミアンだと)
ドンホセは、なんとバスク人
舞台はセビリアだと言うのに、エトランジェのかたまり。
スペインではどう思われているのか聞いてみたい。

今回のMETはいつになくエキゾチックで、
フラメンコテイスト満載...つまり、踊りがたっぷり
チェロ的な体型は歌うにはいいが、踊るのはシンドかろう。
オペラ歌手も大変ですなあ


世界で一番人気なオペラらしいが、まあ取り柄はたくさん。
まず、庶民の等身大の世界
イタリアオペラを凌ぐ東スポ真っ青なドロドロ痴情劇
エキゾチック感満載のわかりやすい楽曲

鶴屋南北の夏歌舞伎みたいなもんですよ。
しかし、淫靡奔放なカルメンと無垢清純な村の娘ミカエラは
造形がしっかりしていますが、
愚直なくせに稀代の悪女の虜になるドンホセはよう分からん。
まだしも、闘牛士のエスカミーリョは遊び人だから振る舞いが
実によく分かる。
要は薄っぺらく、それ以上でも以下でもない。

よう分からんのは健全性の現れなのか、単なる不感症か?
ホスト(あるいはホステス)に貢いで身を滅ぼすのは、
今に始まった事でもなく、太古の昔からの男女の習わし
ありげでもあってはならないオトコの愚行には..
観たくないから理解できないことにする習性かもしれません。

理屈っぽく言えば、愛は自由と、愛は束縛の葛藤
その視座からすれば、優れて現代的なテーマのオペラ
それが未だに人気の秘訣。

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