2019年8月17日土曜日

雨月物語



中国の白話文学(大衆小説もの)を下敷きにした
倭の古典は石を投げなくても当たるほど...
雨月物語はその最たるものだが、創作意欲をかきたてるのか
映像仕立てもあまた。

とりわけの絶品が、このベネツィアのグランプリ作品。
オリジナルは96分だが、15分圧縮版サイトから拾ってきました。
原作二本を巧く融合し、舞台設定を戦国時代(本能寺の変の翌年)とし、
上昇意欲たっぷりの二組の
百姓と大地を根を下ろして地道に生きる事を望む女房の
胡蝶の夢のような物語。


原作は「小人閑居し不全をなす」なんてモチーフですが、
これは、作者秋成の自虐ネタだ。
堂島の専業商社のオーナーだったが、不運もあり...
というか真面目に家業に励まないから不幸を呼び込んだに違いない。
破産の果ては、売文とヤブ医業で糊口をしのぐ。
性格も狷介であまりよろしくなかったらしい。


映画的には、紫綬褒章女優さんの競演風ですが、
ひとえに京マチ子さんの豊満妖艶がウリ。

羅生門
地獄門

を合わせオスカーや欧州の映画祭を総なめしたのは快挙としか
言いようがないが、テイストは同じ。
オリエンタルエキゾティックに悪酔いしたのかもしれないが、
五十年代という映画に夢があった時代のころ
三作三葉の悪女ぶりは...セット評価ならば
女優賞にも輝いた❣️

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