2020年12月22日火曜日

雄弁、講談

 



昨年度の紀伊国屋さんの販売金額ランキングです。Amazonだと多少順番は変動しますが「不動の四天王」です。
ちゃんとした統計と....でもその統計って書籍雑誌以外の事業もあるから「ちゃんと」していないのよ。
さておき、慢性的に右肩下りの業界ですから、未来はあまり明るくないし、良書を売物にする版元はさらなり。

戦前の版元のトップに君臨したのは....

博文館(戦犯版元として消滅)
実業乃日本社(コミックの「静かなドン」の版元らしい)
改造社(円本全集で一世を風靡したが、今は小売だけで細々)
大日本雄弁会講談社(何故か未だに隆々)


今日は雄弁とか講釈の話題です。
どちらもあまりイメージのよい言葉ではない。

Speech is silver, silence is golden.

カーライル氏の言葉を誤解したのだろうが、雄弁よりも寡黙が上だと言う意味ではないとキッパリ!正しくは「沈黙すべき時を心得ておけ」と言うこと。なにかと謝罪会見をやるのは愚の骨頂て意味します。
説明責任なんてたわ言には耳を傾ける必要はないし、加賀まりこさんの未婚出産の際の見事さ、「沈黙」それ自体にもMSGがあるのよ。

で、講釈とは18世紀頃からの伝統ある倭の和芸であり、明治以降「講談」と称するようになった。
いまや、神田松之丞に言わせれば絶滅危惧種らしい。
つまり、明治末期に野間清治により生まれた所謂講談社は、視覚文化の旗手のくせして聴覚を標榜する奇妙な版元なのです。
しかし、キングレコードなるレーベルをもっています....まだあるはず。
一体どんな書籍を...いや、コミックと雑誌だけかな?
昭和期には(アタシは見たことも触ったこともないが)キングなる雑誌を中核にさまざまな雑誌群で出版界に君臨したそうな。

岩波書店と双璧と言いたいが、高踏派と大衆派くらいに購買層は別れる。
岩波も難しげな雑誌は刊行してましたが、婦女子相手には見向きもしない。
かように偉そうにしているから、今や銀行管理になってしまうんです。婦女子未来の顧客です。



岩波はともかく、講談社なんかあまりお呼びではない
し、学術文庫はいささか書庫にあるが....さりとて「少年マガジン」は熱烈愛読してました。あしたのジョーと巨人の星の連載期間だけでしたが....

実は、、、渋谷駅のすこしはずれの薄暗い一角に、発売日前日にマガジンを並べている屋台がありまして、そこで買う事で優越感に浸れる。この時ばかりは見せびらかすようにして持ち歩いた。毎度は朝日ジャーナル😔
別に巨人やボクシングのファンでもないのだが....

ちなみに、講談社は一時期報知新聞の経営もやってましたが、雑誌を売るようにはいかず、白旗を上げて読売新聞社に譲渡し今に至る。
そのまま講談社が経営していたら、あの野球チームの機関紙はどうなったかなあ

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