元来は仏教用語。
転じて戦死等の婉曲美化表現ですが、熱気と湿度を含むファナックな語感(言外にテロルの礼賛)を好む観念右翼のお気に入り。
実のところ、レフトだって口にしないだけで心情は似ており、ふと無意識のうちに口に出る(あの過日の島田雅彦の失言が良い例です)
アタシは、単に桜の散る様に使うことにしています。
倭國の多くの地域では、既に桜華は散り果てたが、北国の春はこれから。
パッと咲き、サッと散る....もってあはれとも、武家の用語だとアッパレとなる。
一般的には「花吹雪ともさくら吹雪」なる慣用表現。
さて「ふぶき」に例えるのはあまりに月並だし、そんな表現だけに安住しておれば、職業歌人としてはおまんまが食べていけない。
そこであれこれ言語遊戯の極みを追求するに.......
水なき空に波ぞたちける(古今集 貫之)
嵐ぞかすむ 関の杉むら(新古今集 宮内卿)
嵐もしろき 春のあけぼの(新古今集 後鳥羽院)
詩歌史に名をとどめるには、この程度の言語力は不可欠です。
貫之の落花詠ですが、上句は「櫻花散りぬる風のなごりには」
天空一面に散華の白波が立つ、、、と詠いながら、実のところ主役は幻視の風
この辺りが実に、、、にくい
かの「若草の宮内卿」の絶唱
上句は「逢坂やこずゑの花を吹くからに」
いぶき初めた杉林の緑と散華の白のコントラストがこの和歌のコンピタンス。
花吹雪は添え物かな(^^)
最後はけだしスメラミコト風
み吉野の高嶺のさくら散りにけり....の三句切れのあとに、一息ついて「嵐もしろき」
畏れ入れ!これでもかって言わんばかり
臣下としましては、、ただただひれ伏すのみ(^^)
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